こんにちは。
アメコミヒーローが大集合する映画『アベンジャーズ』と言えば、
でお馴染みですね。
アベンジャーズをいきなり観ても十分楽しめるのですが、アベンジャーズに登場するヒーローたちは各自が主役の単独作品があり、それぞれの作品は同一世界であり時系列が存在します。
単独作品を時系列どおりに観ることでアベンジャーズシリーズを200%楽しむことができます。なぜならアベンジャーズの各作品には次の作品につながる伏線や演出が散りばめられているからです。
しかし『アベンジャーズ』シリーズは2019年7月時点で
だからテキトーに観始めてしまうと、
「あれ、こいつって……?」
「え、こっち先だったの……?」
「こいつらどこで知り合ったの……?」
「もうたくさんありすぎてどれを観てよいやら……」
ということになりかねません。それは実にもったいない!
そこで「これからアベンジャーズを見たいと思っている」あるいは、「テキトーに見始めちゃったけど軌道修正したい」という人に向けて、
について紹介します。
なお作品の紹介は若干のネタバレを含みます!下の目次だけで観るべき順番はわかるので、ネタバレが嫌な人は目次だけ見て帰りましょう。
- そもそもアベンジャーズって何なの?
- アベンジャーズを楽しむための順番はこれだ!!
- フェイズ1
- フェイズ2
- フェイズ3
- フェイズ4
- ワンダヴィジョン(2021年,Disney+全9話)
- ファルコン&ウィンター・ソルジャー(2021年,Disney+全6話)
- ロキ(2021年,Diseny+全6話)
- ブラック・ウィドウ(2021年)
- シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年)
- エターナルズ(2021年)
- WHAT IF...?(2021年,Disney+)
- ホークアイ(2021年,Disney+)
- スパイダーマン: ノー・ウェイ・ホーム(2022年)
- ムーンナイト(2022年,Disney+)
- ドクター・ストレンジ /マルチバース・オブ・マッドネス(2022年)
- (ここから2022年5月時点で未公開)
- ミズ・マーベル(2022年,Disney+)
- マイティ・ソー:ラブ&サンダー(2022年)
- ブラックパンサー:ワカンダフォーエバー(2022年)
- キャプテンマーベル2(2022年)
- アントマン・アンド・ワスプ:クワントゥマニア(2023年)
- ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.3
- この順番で観れば間違いない!
- こんなに観れるか!という人のために
そもそもアベンジャーズって何なの?
映画『アベンジャーズ』を含む一連の作品は、アメリカのマーベル・スタジオが企画するMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)と呼ばれるプロジェクトで作られています。
MCUの作品は全て同じ世界での物語で時系列が存在し、単独で活躍してきたヒーローたちが『アベンジャーズ』としてクロスオーバー(共闘)します。
2021年現在、MCUはフェイズ1~フェイズ4で構成されており、フェイズ4からは映画の枠を飛び出してDiseny+による連続ドラマ作品も登場しています。
アベンジャーズを楽しむための順番はこれだ!!
ではここから、アベンジャーズを200%楽しむのための順番を紹介します。
フェイズ1
まずはアベンジャーズの全ての始まりであるフェイズ1からです。
アイアンマン(2008年)
MCUの記念すべき1作目でありMCU、そしてアベンジャーズの始まりである『アイアンマン』。
超巨大軍事企業の社長トニー・スタークが、試行錯誤の上にハイテクスーツを開発し自らがそれを着ることでアイアンマンとして悪に立ち向かいます。
アイアンマンは「特殊な能力を授けられた」とか「悪魔と契約した」とかではなく、(現実離れはしているけど)科学の力で、何よりもトニー・スターク自らの力で生み出したヒーローです。
初登場時やその後の改良場面で描かれるのはモノづくり好きなおっさんの頑張る姿。地道にひたすら努力する姿に、子供はもちろん、モノづくりに励む私たち大人にも魅力的なヒーローに感じます。
そして物語の最後、この時からすでに『アベンジャーズ』計画の存在が見え隠れするエピローグが……!
インクレディブル・ハルク(2008年)
緑の巨人ハルクが初登場する『インクレディブル・ハルク』。
ハルクはアベンジャーズのヒーローの中でも「変身中のことを何も覚えていない」という特殊な存在です。
ストーリーは暗く切ない。劇中でも周りの人々の目にハルクは”ヒーロー”ではなく”化物”として映ります。
だから爽快感のようなものはほとんどありません。
「もう戦わなくていいから、平和に暮らしてほしい……」
と思わせるヒーロー映画も珍しい。
そしてこの作品の最後の最後、あのヒーローが現れます……!!!
アイアンマン2(2010年)
前作『アイアンマン』から半年後の出来事を描いた『アイアンマン2』。
『アイアンマン2』ではアイアンマンの活躍もさることながら、アメリカ空軍中佐ジェームス・ローディ扮するウォーマシンが初登場し、アイアンマンと絶妙なコンビネーションを見せるバディムービーとしての面白さがあります。
本作は敵が多数のドローン部隊であり、戦闘場面はスーパーロボット大戦さながらの迫力です!!
この作品のエピローグが次作『マイティー・ソー』のプロローグとなります。
マイティ・ソー(2011年)
いよいよ人間のヒーローではなく神様が登場する『マイティ・ソー』。
この作品で「ヒーローがいるのは地球だけじゃない」ということが明らかになります。
ソーはとにかく全てが規格外。
まずヒーローの武器がハンマー(ムジョルニア)であることが、予想の斜め上をいきます。
私は当初、
「棒に石を付けた武器でどうやってカッコよく戦うんだよ」
と思っていました。
でもこれがかっこいい。戦えるんです。めちゃくちゃ強いんです。その多様な戦闘スタイルが観ていて飽きません。
神々の住む世界アスガルドと他の世界との関係性や宇宙の歴史にワクワクする作品です。
そしてこの作品のヴィランでもあるソーの弟ロキ。彼がこの後『アベンジャーズ』にとって重要なキャラクターになっていきます。
キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011年)
サブタイトルに付けられた”ザ・ファースト・アベンジャー”。
そう、「アイアンマンがアベンジャーズの始まり」と言いましたが、その原点とも言える最初のヒーローがキャプテン・アメリカ。
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』はキャプテン・アメリカのオリジンが描かれます。
体格に恵まれないながらも強い愛国心を持つ青年スティーブ・ロジャースが、その心意気を認められアメリカ人らしくステロイド超人血清で肉体改造して生まれたのがキャプテン・アメリカです。
キャプテン・アメリカが誕生したのは第二次世界大戦の最中であり、この作品は基本的に過去の回想録となっています。そして本作のヴィランであるナチスを操る闇の組織ヒドラは、今後のMCU作品に大きな影響を与える存在です。
本作はキャプテン・アメリカが長い眠りから覚め、現代に蘇るところで終わります。
そしていよいよ『アベンジャーズ』のお披露目です!!!
アベンジャーズ(2013年)
映画『アベンジャーズ』。
これを一言で表すならば、
です。
これまで単独作品で活躍したアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク。そこにブラックウィドウ、ホークアイが加わりチームを組み、同じスクリーンで共に戦う。
これを祭りと言わずして、何と言うのか。
お祭り映画ならではのヒーロー達がコンビネーションで敵を叩きのめす大興奮のアクションシーンが最大の見所です。
お祭りのピークはキャプテン・アメリカのセリフ、
です。
見れば分かります。
さらにヒーローだけではなく『マイティ・ソー』でも登場したヴィランロキのヘタレっぷりがこれまた最高。
そしてこの作品の最後の最後、アベンジャーズにとっての最強最悪の強敵がお披露目になります……!!!
フェイズ2
『アベンジャーズ』で宇宙からの敵(チタウリ)を撃退した後に世界を描くフェイズ2です。
アベンジャーズを経験したヒーローたちの苦悩を描くと共に、新たなヒーローが登場します。
アイアンマン3(2013年)
前作『アベンジャーズ』から1年後のお話である『アイアンマン3』。
トニー・スタークはアベンジャーズでの戦いを経て宇宙にいるであろう強大な敵に怯えていた。
私たちはすっかりトニー・スターク=アイアンマンを完璧な超人だと思い込んでいました。しかし彼も一人の人間。
怖いものは怖いし、今は守るべき人ができた。アイアンマンである彼は世界中のテロリストの標的にされ、常に危険にさらされている。
ヒーローとは一体何か。危険なスーツ=アイアンマンは必要なのか。
そんな彼が悩みに悩み、そして激闘の末に見つけたもの。それは、
という揺るぎない自信と誇り。
最後のセリフが1作目の『アイアンマン』と同じでありながら言葉の意味が、重みが全く違う。アイアンマンが3部作を通して大きく成長したことが分かります。
まさにアイアンマン3部作、ここに完結。
マイティー・ソー/ダーク・ワールド(2013年)
フェイズ1『マイティー・ソー』の続編、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』
大きな話の展開はありませんが、無難に面白い。
本作はこれまでヴィランとして邪魔し続けてきたロキが、ソーと協力して敵に立ち向かいます。……と思ったかい?
と言った感じで、特技”裏切り”のロキがどのように活躍するのかが最大の見所です。
あとはマイティー・ソーを観ていて毎回思うことですが、神様と地球人が恋愛する世界観に付いていけない。(しかし恋人役のナタリー・ポートマンは大人の事情で『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』が見納めとなります。)
そして恒例のエピローグ、ついに"銀河のガーディアンズ"が……!?
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014年)
前作『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』からの続編にして、MCU最高傑作の呼び声も高い『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』。
『アベンジャーズ』を経験したキャプテン・アメリカが現代で大暴れします。
この作品はMCU史上最高傑作との呼び声も高く、これまでの爽快なヒーロー映画とは異なるシリアスな社会派サスペンスに超ド迫力アクションが加わった傑作です。
キャプテン・アメリカの超人っぷりはそのまま、いやむしろパワーアップし、シールドの崩壊、彼らを襲う謎の組織が登場します。
さらにさらに、新たな仲間ファルコン、そして今は亡き名友バッキーが、まさかあんな形で出てくるなんて……!!
と息もつかせぬ展開の連続。
最後には『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』を予兆させる展開があります。祭りはすでに始まっている!!
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014年)
フェイズ2で初登場の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。
これまでのフェイズ2は、ヒーロー達の苦悩や葛藤といったヒーローの影の部分にスポットが当たっていましたが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は、冒険、アクション、音楽、友情、恋愛、家族愛とエンターテイメント全部入りの大傑作です。
色彩豊かなザ・SF的な宇宙を舞台に70年代のアメリカンミュージックを融合させるという、”古くて新しい”演出が斬新で新鮮。観ていてノリノリになります!
さらにメンバー構成は地球人のピーター・クイル(スターロード)に、緑の肌の暗殺者ガモーラ、破壊王ドラックス、アライグマのロケット、そして植物ヒューマノイドのグルート。
人種や生まれどころではない、あらゆるものを超越したガーディアンズ。彼らの抜群のチームワークと”コント”が見るものを魅了します。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーはフェイズ2ではアベンジャーズとして登場しません。が、フェイズ3では重要な役割を果たすことになります。ぜひチェックしておきたい作品です!!
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015年)
はい、きました。祭り第2段。アベンジャーズ2作目の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』です。
もう彼らが揃うだけで十分面白いのですが、少し残念な点は爽快感に欠けるストーリー。
個人的にはアベンジャーズには”祭り感”を求めているわけですが、今回の地球の危機は「自業自得」。
なので心の底から「ヒャッホーーーー!!!」とは騒げない。
とは言うものの、戦闘アクションは相変わらずのクオリティと興奮度。新登場のマキシモフ姉弟やヴィジョンの活躍も最高です。
そしてそして、何と言ってもホークアイおじさん(通称「弓おじ」)の
は、アベンジャーズ史上屈指の名ゼリフです。シビレます。
最後に誕生するのは”新生アベンジャーズ”と次なる敵。大波乱のフェイズ3はすでに始まっている……!!
アントマン(2015年)
フェイズ2は『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で終わりではない!
それがこの『アントマン』。
名前のとおり”史上最小ヒーロー”なわけですが、ただ小さいだけじゃない!!
蟻を使った潜入・追跡や「小さくなる」ことと「大きくなること」を利用した戦闘など、見どころ満載。今まで観たことのないアクションシーンに度肝を抜かれます。
フェイズ2の重たい空気を振り払うかのような、温かい雰囲気でコメディ満載の作品です。
フェイズ3
2018年時点で進行しているのがフェイズ3です。
フェイズ2まではヒーローたちの華麗な共闘が描かれてきたわけですが、フェイズ3ではそのスーパーヒーローたちが内部分裂するところからスタートします。
これまでのフェイズ1、フェイズ2と比べて非常にシリアスで重い雰囲気を漂わせています。
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年)
キャプテン・アメリカ3部作の完結編ですが、実質は"アベンジャーズ2.5"となる『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』。
これまで強敵と相対してきたアベンジャーズですがキャプテン・アメリカとアイアンマンが対立。
どっちの言い分も分かるファンとしては、ヒーロー同士の激突に興奮しつつも頭を悩ませてしまう……
それでもこの作品最大の見所はヒーローたちの大激突。互いに己の正義を貫き通すためにヒーロー同士が全力でぶつかり合うシーンは、力を合わせてヴィランを倒してきたアベンジャーズとは全く違う魅力があります。
そして本作では3人の新人がアベンジャーズに初登場!
アントマンは前作の終わりに少し匂わせてたとおりの参戦。
さらに知名度で言えばマーベル、いや世界No1のヒーロースパイダーマンが出てくる!!単独作品を飛ばしてアベンジャーズに参戦するという形は新鮮でサプライズ感があります。
同じく初登場のブラックパンサー。この作品ではまだ謎が多いヒーローですが、 単独作品で最高に活躍してくれます。
ドクター・ストレンジ(2017年)
フェイズ3で初登場の『ドクター・ストレンジ』。
その世界観はマイティー・ソー並にファンタジーに溢れています。
敵は地球上の悪いやつじゃありません。異次元から攻めてくる闇の支配者。宇宙規模とかそういう次元じゃない。文字通り異次元の敵。
そんな異次元の敵にどうやって戦うかといえば
アベンジャーズのみなさん例外なく「魔法だろ!」というレベルの力なので違和感が無いのですが、”地球生まれ”のアベンジャーズたちは一応科学の力で戦っていたわけです。
ですがドクター・ストレンジは、地球人が謎の魔法を駆使しさらにはインフィニティ・ストーンのひとつタイムストーンを使って戦います。これまでと一線を画したファンタジーっぷり。あの石を使えばアベンジャーズ最強戦力になるのも夢じゃない。
最後には『シビル・ウォー』で仲間はずれにされていたアイツが出てきて次の活躍を匂わせます!
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017年)
原題『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOL2』
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の2作目である『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(邦題)
主人公・ピーターの出生の秘密と彼の父親が話の軸になっており、前作に負けず劣らずの面白さ。
オープニングシーンのグルートの可愛らしさだけで「大勝利!!」と確信します。
本作ではアクションやグラフィックもさることながら、
「幼いころ宇宙人に拉致されたピーターが本当の家族を手に入れる、いや、むしろとっくの昔に家族になっていたんだ!!」
という、家族に焦点を当てたストーリーも見どころです。前作がガーディアンズの”出会い”なら、本作はそこから家族への”成長”が描かれます。
個人的にはヨンドゥがかっこよすぎる!!ヨンドゥの使う武器、アベンジャーズシリーズでいちばん好きです。
しかし許せないのはこの邦題。意味がわかりません。リミックス?原題の”VOL.2”の意味が分からないわけでもあるまいし……
日本のディズニーは本当にプロモーション下手すぎ!!
スパイダーマン:ホームカミング(2017年)
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でサプライズなアベンジャーズデビューを果たしたスパイダーマン。
『スパイダーマン:ホームカミング』でついにMCU単独作品初登場です。
宣伝やパッケージで完全に「アイアンマンとの共闘」が見所だと思っていましたが……
出るには出ますが、ちょっとだけ。戦闘シーンはありません。拍子抜けしてしまいました。むしろ詐欺に近いんじゃ
本作のスパイダーマンが他のマーベル映画と大きく異なる点として「ヴィラン(バルチャー)がそんなに脅威じゃない」ということがあります。
特にMCUにおけるヴィランは「地球の危機」「宇宙からの敵」「神々の侵略」といった、壮大なスケールで戦闘が行われていました。
しかし『スパイダーマン:ホームカミング』のヴィラン・バルチャーはアベンジャーズの兵器を盗んで売る小悪党です。正直放っておいても近々に危機は起こらない。アイアンマンが出てくれば一瞬で勝負が付きそうです。
だからこそスパイダーマンの日常に起こる危機に立ち向かう”親愛なる隣人”が新鮮に感じます。ピーター(スパイダーマン)はまだ15歳。青春を楽しみたい、本当の悪を知らない、ヒーローとして活躍したい。そんなピーターが悩み、選び、戦う姿に心打たれます。
加えてアイアンマン譲りのハイテクスパイダースーツがめちゃカッコイイ!!アイアンマンは出ないけど、あのスーツを使ってのアクションが観れただけでも満足です。
マイティ・ソー バトルロイヤル(2017年)
『マイティ・ソー』シリーズ第3弾の完結編、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(邦題)
……最後にソーが出演したのは2年前の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で、単独作品『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』が4年前。前作のことなんて忘れ去っている。
ということで、冒頭から「あれ、こいつ何してるんだっけ」状態。頭が追いつくのに少し時間が必要かもしれません。
肝心の内容ですがこれまでのシリアス路線から大幅に方向転換し、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに近いコメディ調になっています。
それでも、これまた久方ぶり登場のハルクとの共闘であったり、ちょっとだけドクター・ストレンジが出てきたり、ものっすごく強い姉ヘラとの激闘だったり、『マイティ・ソー』シリーズでは一番見応えがあります!
一方でソーが強いのか弱いのかよく分からなくしてしまった感もあります。マイティ・ソーは神様です。そのバックボーンからしてアベンジャーズ最強だと思っていました。しかし、
- たかが人間の魔術師(ドクター・ストレンジ)に翻弄される
- 普通の(?)宇宙人が作った機械で気絶する
- 姉とは言え、ヘラにフルボッコにされる
人間の女性と恋したり、最初から設定ブレブレな感じはあったけれど
しかし本作でソーは最後に「国とはなにか」という問いにたどり着き、真の王として目覚めます。
この映画のラストが大傑作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に直結しています。必ずチェックしておきたい作品です。
ブラックパンサー(2018年)
『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』で初登場したヒーロー『ブラックパンサー』の単独作品。その正体はアフリカの小国”ワカンダ”の若き国王ティ・チャカ**だった!!
今作は社会・政治・国際情勢といった現代の問題を通して、若き国王が民の信頼を勝ち取り、これからのワカンダの進むべき道を見出すストーリーになっています。
この映画……
まず作品全体の雰囲気。舞台がアフリカということもあり、全編通してアフリカ民族の音楽を彷彿とさせる太鼓が響き渡る。さらにワカンダで採れる最強金属ビブラニウムを使い、ハイテクノロジーと国の伝統・文化・自然が融合したワカンダ王国。これまで見たこともない新世界の風景が画面に広がる。地球だけどこの異世界感、最高!
さらにキャラクター。何と言ってもブラックパンサーがかっこいい。これだけ個性的なヒーローが揃うアベンジャーズで、アイデンティティを出すのはなかなか難しい。でも出せるんです。そう、ビブラニウムならね!
次に国王を守るオコエ隊長率いる女兵士部隊。これがまたまたカッケェ!!。アベンジャーズに出てきた一般戦士の中でも群を抜いてます。王座に忠誠を誓う気高き心と気迫あふれる立ち振る舞い。しびれる。時代はオコエです。
さらに単体の戦闘だけではなく、恋人ノキアや妹シュリも含めたチームプレイ感も魅力的です。
アフリカ特有の雰囲気、魅力的なキャラ、これまでにないテクノロジー、アクション、そして弱者救済や国際協力と言った現代社会にも通じる問題への対峙。これらを全てひっくるめて一つの作品仕上げた『ブラックパンサー』。控えめに言って最高です。オススメです。
毎度恒例のエンドクレジットではウィンター・ソルジャーとシュリの絡みがあって、遂に『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に突入する!!!
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年)
フェイズ3の締めくくり(の前編)であり、アベンジャーズ第3弾として公開された『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』。
登場ヒーロー数は実に23人。これまでMCUで活躍してきたヒーローが”ほぼ”勢揃いし、フェイズ3だけではなくこれまで10年続いたMCUの集大成とも言える作品です。
「ガチ全滅」という クソダサい 日本らしいキャッチコピーでも話題になりました。
この”祭り第3弾”ですが、
まさか一本の映画でお祭りと葬式が同時に開催されるとは思いもよりませんでした。
これまでのアベンジャーズ同様にクロスオーバーの楽しさを維持しつつ、アメコミどころか全世界の”ヒーローもの”ではあり得なかった超絶怒涛の展開。
そして間違いなくMCU史上最強であり最高のヴィランであるサノスに魅了される。
私がこの映画で一番熱くなったのは、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソーの躍動です。
まず、アイアンマンが頭脳をフル回転させてサノスとタイマン張るシーンは涙なしでは見られません。一見傲慢に見えるけれど、みんなのことを、地球のことを常に考えているトニー・スタークは、実は最もヒーローらしいヒーローなんだなと再確認しました。
次にキャプテン・アメリカは登場シーンが最高に滾る!!!前回の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』から長きに渡るであろう逃亡期間を経て満を持しての登場に、体中の血が沸き立つのを感じました。
そして個人的に最高中の最高だったのがソーです!!!!
『マイティ・ソー バトルロイヤル』では、
「シビル・ウォーでも蚊帳の外だし、バトルロイヤルはコメディだし。ソーって神じゃなくて面白宇宙人じゃん(笑)」
と、ちょっと馬鹿にしていました。……が、しかし!
ソーはアベンジャーズの中でも最も深刻な被害を受けています。一般人だったら二度と立ち上がれません。彼はその苦しみを糧に、遂に神として、アベンジャーズ最強の戦士として、本当に全ての力を手に入れました。断トツの強さ、カッコよさでした。
断言します。ソーの登場シーンが『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のベストバウトです。
で、毎回恒例のエンドクレジット&「帰ってくる」も付いているんですが……
この作品が『サノス/インフィニティ・ウォー』であったとはっきりと分かる演出です。「ですよねーぇ」と思わず唸ってしまいます。
そしてそんな中で最後の最後、新ヒーローの誕生を予感させて『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は幕を閉じます。
アントマン & ワスプ(2018年)
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に登場しなかったアントマン。彼は一体どこで何をしていたのだろうか。その答えが分かるアントマン第2段の『アントマン&ワスプ』
アントマンの戦いぶりは『アントマン』『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で既に体験しているので、今作で体のサイズを自由自在に変えて戦うギミックにはそこまで新鮮さはありません。しかし前作よりもキャラクターの魅力が増しています。
初登場のワスプは自力飛行が可能であり、縦横無尽に駆け回る姿は「カッコイイ!!」の一言に尽きます。
その父ハンク・ピム。失った妻を取り戻そうと命を賭けて戦い続ける彼こそ影の主役です。
さらに本作のヴィラン・ゴーストは、悲しい過去を持つ悲劇のヒロイン。幸せになってほしい。
極めつけは、我らがマイケル・ペーニャ扮するルイス。前回よりも出番が増えてマシンガントークもパワーアップ。こいつを見るためにアントマンを見ていると言っても過言ではない!!!
……
……
と思うほど『アントマン&ワスプ』では、登場キャラクター全員に魅力があり見せ場があります。
普段のMCU作品は地球や宇宙の存亡をかけた大規模バトルが繰り広げられているのに対し、アントマンは普通の日常を、そして身近にいる大切な誰かを守る等身大のヒーローたちの戦いであることが大きな魅力です。
これぞみんなに愛されるヒーロー映画。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のショックを和らげるかのような、平和な世界がそこにはあります。
そして最後のお楽しみであるエンドクレジット後の映像は、MCU史上最も予想された展開に……なるはずでしたが、その予想を更に上回るとんでもない展開が待っていた!!
お決まりの「帰ってくる」宣言もこれまでと少し異なります。平和や希望に満ちた本編に対する不穏なエピローグ。このギャップに鳥肌が止まりません。
キャプテン・マーベル(2019年)
『アベンジャーズ/エンドゲーム』への最大の切り札になる(はず)の『キャプテン・マーベル』がMCU初登場。
1990年代、若かりしニック・フューリーがアベンジャーズ計画を立ち上げるに至った存在、MCU最強ヒーローであるキャプテン・マーベルの誕生物語が描かれます。
本作の素晴らしいところは「女だから」「男らしく」「どうせできない」「やめておけ」と言った現実社会に蔓延する決めつけや偏見を力強くぶん殴るキャプテン・マーベルの存在そのものです。
決して諦めず、何度でも立ち上がり、周囲の嘲笑には耳を貸さず、望むものは自分の力で手に入れる。
強大な力があるからヒーローなのではなく、その精神性こそがヒーローである証なのです。この点はこれまでのMCUで描かれてきた全てのヒーロー像と共通しています。
”女性ヒーロー”という点がピックアップされがちですがキャプテン・マーベルはそんな小さな括りではなく、現実社会において無言の圧力で虐げられるあらゆる人達へ力強いメッセージを発信する絶対的なヒーローです。
そして戦闘力そのものも圧倒的。ハルクとアイアンマンとソーの戦闘力をかけ合わせ、キャプテン・アメリカの精神性を突っ込んだ完全無欠のヒーローです。言葉通りMCU史上最強です。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を見終わったときには、もうこの世の終わりのような顔をしていましたが、キャプテン・マーベルを見終わった瞬間「勝ったわこれ」とドヤ顔していました。
ストーリー構成も話が進むに連れて登場人物たちに対する観客の視点を変えていく上手い作りになっており、サスペンス調で最後まで飽きずに楽しめます。
最後の最後、誰もが望んだポストクレジット映像が……いざエンドゲームに突入します!!!!
アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年)
『アイアンマン』から始まった11年間のMCUを総括する『アベンジャーズ/エンドゲーム』。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で敗れ去ったヒーローたち。彼らは力を合わせ、失った仲間を取り戻すことができるのか?サノスへの史上最大の”アベンジ”(逆襲)が今始まる……!!
本作は完全な「一見さんお断り」映画であり、この11年間21作品を追いかけてきたMCUファンに向けた愛とサプライズが詰め込まれた作品です。
正直に言って『アベンジャーズ/エンドゲーム』は1本の映画として評価することはできません。
しかし、過去に例を見ない規模と壮大な構想で進められてきたMCUを最高の形で幕引きさせた本作は、歴史に残るアメコミ映画として永く語り継がれることになるでしょう。
私の想いはここに書ききれないため、別の記事としました。完全ネタバレですが大丈夫な方はどうぞ。
スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年)
MCUのスパイダーマン第2段となる『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』。
本作は『アベンジャーズ/エンドゲーム』のエピローグ的な位置づけで、MCUフェイズ3の完結編となります。ただしエピローグと言っても、これまでになかった驚きの演出やスパイダーマン=ピーター・パーカーの成長をガッツリと描いた重要な作品です。
『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム』の何が凄いって、ミステリオを通して突きつけられる「目に見えるものが真実とは限らない」というテーマの徹底ぶり。
ミステリオは自身に超人的な能力があるわけではありませんが、数多のドローンを駆使して超高精細映像で世界そのものを騙す技術を駆使する姿は”現代の超人"と言えます。そしてミステリオの真の姿はモーションキャプチャー用の衣装を身にまとったおじさん。
この姿、まさにアベンジャーズを始めとするMCU作品の撮影でヒーローに扮する俳優たちそのものです。
「観客に希望を与えて続けている映画の中のアベンジャーズたちも、実のところミステリオとやっていることは同じなのではないか?」
何でも創り出せる現代の技術と情報社会に対する問いを、ミステリオを通して投げかけているかのようです。
と、ミステリオの存在が大きく難しいテーマ設定の本作ですが、物語全体としては非常に見やすく誰でも楽しめる作りになっています。ピーターは頑張っているし、MJはキレイだし、ネッドは良いやつです。
スパイダーマンとしての能力もついに100%解放され、前作『スパイダーマン:ホームカミング』と比べてもアクションシーンは別格の迫力です。
一方で前述の「ヒーローとミステリオとの違い」は、本作ではまだ答えが出ていないようにも感じます。
ヒーローとは何か。虚ろな希望を与えるミステリオと何が違うのか。
その答えに向かう次の物語の推進力となりそうなポストクレジットシーンは、当然ですが必見です!!!!
フェイズ4
ここまでのフェイズは『インフィニティ・サーガ』と呼ばれる一つの大きなシリーズであり『アベンジャーズ/エンドゲーム』で完結しました。
それではフェイズ4以降はどのような話が繰り広げられるのでしょうか?2019年7月21日の米国カリフォルニア州サンディエゴで開催された「コミコン・インターナショナル:サンディエゴ」でロードマップが発表されました!
注目は映画作品だけではなくDisney+で配信されるドラマもフェイズ4として発表されたことです。ドラマも含めてユニバースが展開されていくのか、現時点では不明ですが公開が楽しみなラインナップです。
ワンダヴィジョン(2021年,Disney+全9話)
エンドゲーム後のワンダはどこで、何をしているのか?その疑問を明らかにするのがDiseny+で全9話配信のドラマ『ワンダヴィジョン』。
エンドゲーム後……と思いきや、その舞台は70年代のアメリカ、映し出される映像は白黒のホームコメディ!?そしてインフィニティ・ウォーで死んだはずのヴィジョンが、ワンダと新婚生活を送っている!?
と謎だらけの状況で幕が上がります。しかしそのまま愉快なコメディが続くわけはなく、話を重ねるにつれこの世界の歪さが垣間見えてくる。
ワンダは、ヴィジョンはここで何をしているのか。この世界はどこなのか。誰が何の目的で、この映像を配信しているのか。
映画ではなし得ない、ミステリーとホラーに溢れた謎が謎を呼ぶ連続ドラマならではの怪作です。
本作はなんとなーくでしか語られていなかったワンダのオリジンストーリにもなっており、フェーズ4に向けたワンダの本格始動が垣間見えます。
さらにさらに!忘れちゃいけないのが「MCUである」ということ!
『キャプテン・マーベル』のあのキャラや、『アントマン』のあのキャラも!?そしてMCUの外の世界からあいつもやってくる!?
MCUファンにおなじみの楽しさ、そしてこれまでになかった新鮮さを与えてくれるフェイズ4の幕開けです!!!
映画からドラマへのクロスオーバーが期待されます。
ファルコン&ウィンター・ソルジャー(2021年,Disney+全6話)
『ワンダヴィジョン』に続けてDisney+で全6話配信された連続ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』。
エンドゲームで盾を受け継いだ”ファルコン”ことサム、そしてスティーブの親友であり”ウィンターソルジャー”としての暗い過去を背負うバッキー。
キャプテンアメリカが表舞台を去った直後、彼の意思を託された二人の苦悩を描くバディドラマです。
”バディもの”ということで爽快なノリを想像していましたが、ふたを開けてみるとこのドラマは徹底して重い。
作品全体の空気感、登場人物たちのおかれた状況、政治の都合で迫害される民衆、などなどとにかくドンヨリしています。
重すぎるキャプテンアメリカの責務を背負うのは、彼に代わりアメリカを、そこに暮らす人々をを守るの誰なのか。
ヒーロー自身、彼らを支える者、ヒーローの輝きの影として暗い道を歩んできた者。
あらゆる人物たちにスポットライトを当て、それぞれの地獄とその先にある微かな希望を描いた至高のサスペンスアクションドラマです。
さらにさらに『シビルウォー/キャプテンアメリカ』でアベンジャーズを窮地に追い込んだ"あの男"、「そういえばどこで何してたんだ?」な"あの女”も登場し、MCUならでは映画とドラマのユニバースも楽しめます!!
ロキ(2021年,Diseny+全6話)
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で死亡したソーの弟ロキを主役に据えた、Disney+配信の連続ドラマ『ロキ』。
物語は『アベンジャーズ/エンドゲーム』の”あの”シーンから始まります。トニーたちがタイムトラベルした2010年の『アベンジャーズ』で捕らえられていたロキがひょんなことからスペースストーンを手に入れ逃走します。
しかしそれは、本作で明らかになる”神聖時間軸”を分岐させる行為であり、神聖時間軸を守る組織TVAに逮捕されてしまう……という怒涛の展開に。
本作、フェイズ4序盤の中でも今後重要になると思われる設定が盛り込まれた作品です。それが”マルチバース”です。
これまで『ドクターストレンジ』や『アントマン』などで”異次元の世界”が匂わされ、『アベンジャーズ/エンドゲーム』で異なる過去=並行世界が存在しうることが明らかになりました。
そしてついに本作で”マルチバース”、つまり同時に複数の宇宙が存在することが言及されました!!!
私たちがフェイズ3までで観てきた世界は本作に登場するラスボスが独裁した神聖時間軸上の世界でしかなく、本来は無限の宇宙が同時に存在しているというのです。その規模で見ればサノスなんて奴はただのひよっこであり、絶対的な力を持つインフィニティストーンも文鎮でしかないのです!!
……自分で言っていてわけがわからない。でもめっちゃ興奮する!!
MCUのこまれでを根底から揺るがす、一気に世界を広げる設定が盛り込まれた本作で主人公を張るのがロキ!!このロキ、『アベンジャーズ』直後の人物なので我々が目撃したインフィニティ・ウォーのロキよりも、かなり邪悪なんですよね。
しかしその彼がとんでもない宇宙の真理を解き明かし、変わっていく。
ミステリー&サスペンス&コメディ&ファンタジーが抜群に融合し、それでいてMCUの世界を加速させます。
改めてMCUの懐の深さとロキというキャラクターの魅力、そして演じるトム・ヒドルストンの魅力が詰まった傑作ドラマです。
本作で最後に登場するある人物は『アントマン・アンド・ワスプ:クワントゥマニア』で登場することが明らかになっており、さらに”マルチバース”というキーワードは当然『ドクターストレンジ:ザ・マルチバース・オブ・マッドネス』を連想させます。
フェイズ4の起爆剤ともいえる作品になっています。
ブラック・ウィドウ(2021年)
『アベンジャーズ/エンドゲーム』で衝撃的な最期を迎えたブラック・ウィドウ初の単独作品。
この作品の時系列は『シビルウォー/キャプテンアメリカ』と『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』の間です。世界から追われる身となったブラックウィドウ(ナターシャ・ロマノフ)が、インフィニティ・ウォーでキャプテンアメリカたちと合流するまで何をしていたのか、そしてこの作品で起こる出来事が彼女のヒーローとしての真のオリジンだったのです。
映画『ブラックウィドウ』のテーマは”家族”。普通の家族とは全く異なる歪な4人の家族。しかしナターシャにとって彼らと過ごした時間と絆はかけがえのないものだった。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』でナターシャはなぜあんなにも”アベンジャーズという家族”のために奔走し、自らを犠牲にする道を選んだのか。
彼女のヒーローとしてのオリジンが描かれます。
ナターシャや妹のエレーナの幼少期の環境もあいまって、話全体は非常にシリアスな雰囲気です。個人的にはMCU作品で最もしんどい話の始まり方でグッときます。
戦闘シーンをはじめとするアクションはさすがのMCU。ナターシャだけではなくエレーナ共同作戦、謎の戦士タスクマスターとの激闘など、MCUではおなじみとなった”超人”が不在だからこその緊迫感溢れる近接バトルが繰り広げられます。
近年のMCUではヘラやキルモンガー、サノスなど魅力あふれる大ボスが揃っていましたが『ブラックウィドウ』で相対する悪の組織”レッドルーム”と首謀者ドレイコフは、ただただ胸くそ悪い奴であり、悪役の魅力という点では物足りません。(そう感じるのもMCUで目が肥えてしまったからでしょうか。)
フェイズ4として公開された本作、実際に見てみると「普通にフェイズ3で時系列順に公開すればよかったのでは?」と思います。しかし映画『ブラックウィドウ』はナターシャだけではなく、エレーナのオリジンも描かれる作品なのです。
そう主役はナターシャでありながら、フェイズ4にエレーナが参戦する動機を与える作品になっています。その辺はMCUおなじみのポストクレジットシーンで語られます。
本作は新型コロナウィルスの影響で公開予定日から1年以上延期されて公開されました。とにかく「MCUが帰って来た」感と「いよいよフェイズ4が始まった」感を味わいましょう。
シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年)
MCU初登場で子シリーズ初のアジア系ヒーローシャン・チーの単独作品。2019年の『キャプテン・マーベル』以来の新ヒーローの登場です。
これまでのMCUにはなかった”中国の伝説”っぽさ全開の幻想的な世界観と、武術をベースとした肉弾戦(主に前半)が見どころです。
また主人公シャン・チーと相棒のケイティの関係性が最高・オブ・最高で、ケイティは『アントマン』シリーズでマイケル・ペーニャが演じたルイスに匹敵する名脇役と言えます。
どうしても”エンドゲーム以降”を意識しないと見れなかったこれまでのフェイズ4作品とは異なり、予備知識が一切なくても楽しめるストーリーになっていてMCU初心者にも最適な作品だと思います。
と言いつつも、作中とポストクレジットには苦労人である、あのキャラクターが顔を出し「いよいよMCUの醍醐味が始まったな……!」とMCUファンをワクワクさせる要素も満載です。
エターナルズ(2021年)
数百万年前に地球を訪れた巨大な宇宙種族”セレスティアルズ”が人類への遺伝子実験によって生み出した種族『エターナルズ』が、MCU初登場です。
登場するヒーロー数は単体作品で最多の10人。
10人それぞれ異なる能力を持ち、多彩に繰り広げられるバトルは目が楽しい!!
遥か昔から地球を見てきたということもあり、「え、あの歴史にこう関わってたの!?」という史実とフィクションの融合というのも本作独自の魅力です。
人数が多い分どうしても一人一人のインパクトは薄くなってしまいますが、話のスケールや壮大な映像は圧巻です。
個人的にはエターナルズ最強の一角ギルガメッシュとスピードスターのマッカリが一推しです。(スピードスターはどんな作品でも見ていて楽しい!)
あまりMCU感を出さない本作ですが、最後の最後にアッと驚きのキャラクターが……!?
WHAT IF...?(2021年,Disney+)
『WHAT IF...?』はMCU初のアニメーション作品であり、過去のMCU作品で「もしもこんなことが起こっていたら」を題材にオムニバス形式で語られます。
本作を単なるアニメ作品と侮ることなかれ。フェーズ4で本格化するマルチバースがどんなものなのかを具体的に示した重要な作品です。
さらに1話ずつ完全に独立した話なのかと思いきや、最後の最後にあらゆるバースのキャラクターが集まってとんでもない戦いを繰り広げます。
特に1話、4話は『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』に向けて多くの示唆を含んでいるため、ドクターストレンジ鑑賞前にぜひ触れておきたい作品です。
海外アニメということで好き嫌いが分かれそうな作品ではありますが「マルチバースってこんな感じ」が良く分かる、意外と(?)見ごたえのある作品だと思います。
ホークアイ(2021年,Disney+)
2024年12月、家族とクリスマス前の休日を楽しむ”アベンジャーズを辞めたい男”ホークアイ(クリント・バートン)と、新世代ヒーローケイト・ビショップが主役の連続ドラマ。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』~『アベンジャーズ/エンドゲーム』で作ってしまった負の歴史を贖罪したいクリントと、『アベンジャーズ』で彼に救われたことをきっかけに武に目覚めるも「自分は英雄にはなれない」ともがくケイトとの出会い、意思の継承を描きます。
ホークアイと言えばMCU初期では”一般人枠”でしたが、これまでの作品を通じて「人間やめてる域」であることが証明されました。一方のケイトは優れた才能を持ちつつも「普通の人間」です。そんな普通の彼女がホークアイに憧れ、いよいよ本人に遭遇し、理想と現実のギャップに叩きのめされる。
そこからどう這い上がるのか、どこに活路を見出すのか、というのが一つの見どころです。
本筋とは関係ありませんが、舞台が2024年12月ということもあり、作中はクリスマスムードに溢れていて”アメリカのクリスマス感”も楽しめます。
さらにさらに本作はMCUの劇場作品ではなく、予想外の方面からのクロスオーバーも盛り込まれています。
スパイダーマン: ノー・ウェイ・ホーム(2022年)
MCU版スパイダーマンの3作目にしてで完結編となる『スパイダーマンノー・ウェイ・ホーム』。前作『スパイダーマン:ファーフロムホーム』の衝撃のラストから、ついにその正体が世間に明かされてしまったピーター・パーカー。
彼は「”スパイダーマンはピーター・パーカーである”という記憶を世間から消してほしい」と、ドクター・ストレンジに依頼しますが、これがきっかけで事態はとんでもない方向に向かいます。
古くからのスパイダーマンファン、彼らに福音をもたらすマルチバースがやってきます。
かつて見たあの敵、そしてあのピーター・パーカーにまた会える!!!!!!
ある意味でエンドゲームの興奮を凌駕する、とんでもない感動が押し寄せます。だからMCUは、だからスパイダーマンはやめられないんだなぁ。
さらにはスパイダーマンのみならず、MCUの蚊帳の外に追いやられた”あいつ”も出てくる、アッというサプライズ。もうサプライズの大渋滞。
と、サプライズてんこ盛りでとんでもない傑作であることは間違いないのですが、個人的に本作の行き着く結末はもろ手で喜べません……ピーター・パーカー、可哀そうすぎない?これで終わりなの!!!?!?!?!?!?!
あなたはこの結末をどのように受け止めるでしょうか……?
メイおばさんにありがとう、ピーター・パーカーにさようなら、そして、全てのスパイダーマンファンに、おめでとう。
ムーンナイト(2022年,Disney+)
「現実か夢か、区別がつかない」というスティーヴン・グラントは、以前よりいつの間にか道に迷っていたとか知らない場所にいたとか、奇妙な日常を過ごす博物館の土産物店員。
彼の中には別の人格が宿り、その人物は神の代理戦争を行うための強大な能力を持つダークヒーロー『ムーンナイト』だった……
これまでのMCUとは一切の関連のない、久しぶりに完全フレッシュなヒーローの登場です。
さらにその主人公は解離性同一性障害を持つという、これまたこれまでにない個性の持ち主。完全フレッシュとは言いつつ、MCUの持つ多様性を感じさせます。
古代エジプトの神々をモチーフにしたキャラクターやストーリーが楽しいだけではなく、「いつの間にか違う場所にいた」「いつの間にか戦いが終わっていた」という部分を本当に何も描かず視聴者にスティーヴンの見た世界を追体験させる描画も斬新で”何が起きたのか”に興味をそそられます。
まだまだ謎の多いムーンナイト、今後ほかのヒーローとどのような絡みを見せてくれるのでしょうか。
ドクター・ストレンジ /マルチバース・オブ・マッドネス(2022年)
1作目の『ドクター・ストレンジ』から『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』『スパイダーマンファン:ノー・ウェイ・ホーム』を経たドクター・ストレンジの2作目。
ノー・ウェイ・ホームでマルチバースの扉が開かれましたが、本格的にマルチバースの世界に突入するのが本作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』。
ドクター・ストレンジ単独としては2作目ですがその間の出来事が濃すぎて実質4作目ぐらいの勢いです。
アベンジャーズとしてサノスと壮絶な戦いを繰り広げていたドクター・ストレンジこと、スティーブン・ストレンジ。
その間に想い人であるクリスティーンはほかの男と幸せな道を歩むことに……どこか彼女を忘れられずにいる彼のもとに「他のバースから来た」と言う少女アメリカ・チャベスがやってきます。
事の重大さに気づいたストレンジはワンダに相談に行きますが毎度のことながら、ストレンジ先生のこの判断がとんでもない事態を招きます……
タイトルのとおり、もうずっと狂ったマルチバースを行ったり来たりで過去最高の目まぐるしい展開を見せる本作。監督を務めるのが初代スパイダーマンの監督にしてホラー映画の大御所サム・ライミということもあり、あきらかにこれまでのMCUと一線を画すホラー、グロテスク描写がてんこ盛りです。
その過激さだけではなくマルチバースなら何でもありと言わんばかりに、古参マーベルファンを喜ばす数々の仕掛けも盛りだくさん。
マルチバースのメチャクチャな楽しさや新登場のアメリカ・チャベスの健気さ、可愛さとは裏腹に、ワンダ=スカーレット・ウィッチの身に起こる壮絶な運命は、これまで彼女の苦しみを見てきたMCUファンにとっては耐え難いものがあります。彼女の幸せを願わずにはいられません。
(ここから2022年5月時点で未公開)
ミズ・マーベル(2022年,Disney+)
初登場ヒーローとなる『ミズ・マーベル』。
アベンジャーズやキャプテンマーベルに憧れる女子高生カマラ・カーンの成長物語となるようです。
マイティ・ソー:ラブ&サンダー(2022年)
マイティ・ソー シリーズ4作目。クリス・ヘムズワースの他、テッサ・トンプソン演じるヴァルキリーの出演も明らかとなりました。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』の後、ソーは”アスガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”としてクイルたちと旅立ち、ヴァルキリーは新アスガルド再建に取り組んでいました。
そんな彼らが次にどんな冒険を見せるのでしょうか。
ブラックパンサー:ワカンダフォーエバー(2022年)
2018年公開フェーズ3の『ブラックパンサー』の続編……となるはずですが、2020年に主演をつとめたチャドウィック・ボーズマンが癌によりこの世を去りました。
ブラックパンサーの意志を誰が継ぐのか、詳細は分かっていません。
キャプテンマーベル2(2022年)
2019年公開『キャプテンマーベル』の続編です。
キャプテンマーベルはもちろんですが『ワンダヴィジョン』で力に目覚めたモニカにも注目です。
アントマン・アンド・ワスプ:クワントゥマニア(2023年)
アントマン第3弾。
タイトルからして量子世界の先、マルチバースが舞台になるのは間違いないでしょう。
ドラマ『ロキ』に登場した”在り続ける者”が登場するらしく、世界の広がりにワクワク止まりません!!
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.3
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの第3弾。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』からかなり期間が空きますが、どんな話の展開になるのでしょうか。
この順番で観れば間違いない!
ということで『アベンジャーズ』を200%楽しむための、マーベル映画の見るべき順番を紹介しました。
アベンジャーズシリーズは
に見ていけば問題ありません。
ただし、私の認識ではこれまで日本で公開順が異なったのは、
「インクレディブル・ハルク」 → 「アイアンマン」
だけであり、それ以外は気にせずに国内の公開順で見ていっても問題ありません。
これから見る人も、ちょっと見ちゃったけど順番間違ってたかも……という人も、これを参考に楽しんでいただければ幸いです。
U-NEXTでアベンジャーズ作品を見るにはポイント(課金)が必要ですが、31日無料体験登録で600ポイントもらえるので、とりあえず今すぐ1本見たいならこちらをおすすめします。
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また無料体験終了後は毎月1,200ポイント付与されるため、月額見放題作品+1,200ポイント分のレンタル作品を楽しむことができます。
Huluでは最新作の公開が近づいたタイミングで過去作品が一挙配信されます。狙いを定めて一気に見ましょう。
さらにHuluでは『エージェント・オブ・シールド』や『ランナウェイズ』など多数のマーベルドラマをいつでも見ることができます。 blog.wackwack.net
映画を通してマーベルに興味を持った人は、ドラマもチェックしてみてください。特に映画との結びつきが強い『エージェント・オブ・シールド』がおすすめです。
こんなに観れるか!という人のために
最短で追いつきたい人
「今からこんなに観れるか!!」という人のために、予習すべき作品を18本から7本に絞ってみました。 blog.wackwack.net
とりあえず1本だけ見たい人
さらに「とりあえず1本見てみたいんだ」という人のために、ジャンル別おすすめのマーベル映画をまとめました。 blog.wackwack.net
すぐに『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を見たい人
さらにさらに「もうとにかく今すぐ追いつきたい!」という人のために、マーベル映画を1本も見なくても一瞬で『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』まで追いつける情報をまとめました。ネタバレ平気な人はこちらをどうぞ。 blog.wackwack.net