こんにちは。
2017年6月18日、YouTubeでKICK THE CAN CREWというヒップホップグループが新曲『千%』のMVをアップロードしました。
KICK THE CAN CREW
KREVA、MCU、LITTLEの大中小3人MCで構成されたユニットの結成は1996年。
まだまだ「ラップ(笑)」とされていたこの時代、KICK THE CAN CREWが一気に注目を集めたのが2001年発売の『クリスマス・イブRap』。
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山下達郎のあの『クリスマス・イブ』のメロディーに乗せてラップを奏でた。「ダサい」という意見もあったが、曲中ずっとラップで踏み倒すチャレンジとかっこよさげな雰囲気に世間が注目した。
極めつけが翌2002年発売の『マルシェ』。何が何だか良くわからないけど、とにかく楽しそうな音楽と聴き心地の良いラップ。
https://itunes.apple.com/jp/album/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A7/id325843478?i=325843578&uo=4&at=10l8JW&ct=hatenablog
これのインパクトは凄まじく、あれよあれよという間に(当時はまだまだ権威のあった)紅白歌合戦に出場を果たした。
その後も精力的に活動を進めるも、2004年に突然の”活動休止”。そして13年後の2017年、突然に新曲がアップロードされたわけだ。
KICK THE CAN CREW』私
音楽に関しては何を隠そうミーハーな私。KICK THE CAN CREWとの出会いはもちろん、話題になっていた『クリスマス・イブRap』。
当時中学生で思春期真っ盛りの少年にとって、王道を外れた”ヒップホップ”というジャンルを聴いていることは一種のステータスだった。(と思っていた。)
そして当然『マルシェ』も把握していた。
(本来の歌詞は「幸せの国へようこそ」)
と歌詞を変えてきたのを見て、
と無駄に興奮したことを覚えている。
『マルシェ』以降もさらにKICK THE CAN CREWにハマっていった。
特に他ユニットとフューチャリングした『TORIIIIIICO!』では、6MCのマイクリレーという圧巻のパフォーマンスに衝撃を受けた。歌詞も一生懸命覚えた。
やはり通ぶって「HIPHOPやべぇ!こんなの他の音楽にはない!」と思っていた。
https://itunes.apple.com/jp/album/toriiiiiico-feat-cassette-vision-cassette-vision/id325843478?i=325843675&uo=4&at=10l8JW&ct=hatenablog
その後MDプレーヤーを手に入れた高校生の私は、通学時には毎日のようにKICK THE CAN CREWを聴いていた。
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だがそんな時は一瞬。
まだまだ人気があるという認識だった私は、ちょっとした喪失感に襲われた。
それでも当初は、
「”休止”だからな。復活するよな!」
などと考えていた。
しかし1年、2年と経ってもその気配は無い。
それどころかKREVAがソロで鬼のように売れていき、完全にKICK THE CAN CREWの時代を超えていた。
その様子は、
「もうKREVAにとって、KICK THE CAN CREWを復活させる必要は無い」
と思わせるのに十分だった。
だから大学に入る頃には、KICK THE CAN CREWは完全に「終わったもの」として捉えていた。
余談だが、ここで私は彼らの先輩筋にあたる『RHYMESTER』にハマる。KICK THE CAN CREWは好きだったけど、正直RHYMESTERはレベルが違うなと思った。
だからRHYMESTERを好きになって間もなく、彼らが活動休止を宣言した際は「またか……!!」と肩を落とした。
だが1年後、RHYMESTERは明らかにパワーアップして蘇る。あの時の興奮は忘れられない。
話を戻して、そんなこんなで私の中では完全に過去のグループとなった『KICK THE CAN CREW』。
それがどうだろう。
なんと13年後の2017年、復活&ニューアルバムの発売だ。
ニューアルバムジャケットも14年前の傑作アルバム『magic number』と同じ構図。シャレが効いている。
(KICK THE CAN CREWオフィシャルサイトより)
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復活の第一報を見たときは正直わけが分からなかった。
でもあのMVを見て、時が中学時代に巻き戻ったように感じた。
MCUの過去曲を引用しまくったリリック、KREVAの歌い方はソロとは違い間違いなく「KICK THE CAN CREWのKREVA」だしLITTLEは相変わらずのキレッキレ。
ひとつのグループの「売れた」「ピークを迎えた」「終わった」「復活した」すべての瞬間に立ち会おうとは思いもよらなかった。
ワクワクしたし、嬉しかった。
それと同時に、
「あぁ、それだけ歳取ってきたことだなぁ。」
とも感じた。
「ビートルズのアルバム発売」とか「キャンディーズ復活」とか、正直何に興奮しているのかわからなかったけど、こういうことだったのかと分かった気がする。
KICK THE CAN CREWは新曲も含めて「若さの勢い」とか「大人になる前のモラトリアム」を感じるものが多い。
正直、この年では彼らの曲よりも近年のRHYMESTERのような「負けてからの復活」「愛すべき日常」と言ったメッセージ性の曲が馴染む。
だからKICK THE CAN CREWのニューアルバムを買うかもわからないし、間違ってもライブには行かないと思う。(というか、今も付き合いのあるKICK THE CAN CREWが好きだった友達がいない。)
それに今の日本では当時よりもヒップホップが認められてきていて、たくさんの勢いあるグループが存在する。そこでKICK THE CAN CREWが”あの感じ”で通用するのかは正直わからない。(未だにRIP SLYMEが活躍できてるんだから大丈夫かもしれない)
それでもKICK THE CAN CREWが「あの日のまま」で戻ってきてくれたことがとにかく嬉しい。
今後の人生に影響を与える程のことではないけれど、とにかく生きていれば小さな興奮と喜びがくるんだなぁと思わせてくれたKICK THE CAN CREWに感謝です。