こんにちは。
ここ数日ひたすらマーベルのアメコミ映画『X-MEN』シリーズを見ています。
X-MENシリーズには(一部を除き)時系列が存在し、しかも途中で過去に戻ったりします。
一方でX-MENシリーズは2019年時点で11作品あり、しかも『X-MEN○○』とか『ウルヴァリン○○』とかいろんなタイトルがあるので見る順番がややこしすぎます。
そこで今回は映画『X-MEN』シリーズを見る順番と作品ごとの魅力を紹介していきます。
『X-MEN』とは?
『X-MEN』とはアメリカのマーベルコミックを原作とする、スーパーヒーローチームです。
X-MENに所属するヒーローは”ミュータント”と呼ばれる、突然変異による特殊な能力を身に付けた人間たち。
プロフェッサーX率いるX-MENは人間とミュータントの共生を目指すのに対して、マグニートー率いる面々は人間を排除しミュータントが作る新世界を目指します。
実際にX-MENの世界でミュータントは、人間たちから化物と恐れられ迫害を受けています。
単純な「正義 VS 悪」などではなく、現代にも通じる人種差別問題を含んだ複雑な対立構造になっています。
X-MENシリーズを通しての主人公は不死身の体と無敵の爪を持つ”ウルヴァリン”(ローガン)。
そして彼を中心としてX-MENを率いる最強のテレパシストである”プロフェッサーX”、強力な電磁力を持つ”マグニートー”、変身能力を有する”ミスティーク”、目から熱光線を放つ”サイクロップス”、天候を自在に操る”ストーム”など、数多くのミュータントが活躍します。
X-MENシリーズはこの順番で見よう!
それではここから、映画X-MENシリーズを見る順番と作品の見どころを紹介をしていきます。
※極力ネタバレは控えていますが、読み進めるのは自己責任でお願いします!
X-MEN(2000年)
X-MENシリーズの記念すべき1作目。
突然変異であらゆる特殊能力を身に付けた”ミュータント"と呼ばれる人間たち。彼らは世の中から恐れられ化物扱いされている。
ローガン(ウルヴァリン)もその一人。
そんな彼がプロフェッサーXを筆頭とするX-MENと出会う物語です。
シリーズを通しての宿敵であるマグニートー率いる過激派(?)ミュータントの戦いが幕を開けます。
1作目ということもあり、様々な能力を持つミュータントが次々と登場し、(当時の)最新VFXをフルに活かしたバトルシーンは見応え抜群です。
ただし、1作目でけっこうな数のミュータントが出てくるので出演シーンが少なく、イマイチ魅力が伝わらないキャラクターもちらほら。特にエスパーのジーン・グレイは影が薄すぎる……→ 『X-MEN2』そして『X-MEN:ファイナルディシジョン』への伏線でした。
- ミュータントとミュータントの壮絶な戦いの幕開け!
- 超人たちによる圧巻の能力バトル!!
- ウルヴァリン誕生の謎は?今後のシリーズに大きな期待がかかる作品!
X-MEN2(2003年)
ローガン(ウルヴァリン)が鋼の刃を身に付けた経緯、失われた記憶を辿る物語です。
続編ということもあり新しいミュータントや、新たな敵も登場します……が、話やアクションは月並みといったところでしょうか。1作目ほどの目新しさはありません。やはり2作目の立ち位置は難しいですね。
特に”女ウルヴァリン”とでも言うべきヴィランが出てきますが、そいつとの戦闘がなんともイマイチ。満を持して登場したわりには想定の範囲内で退場していきました。
それでもナイトクローラーのテレポート能力の見せ方、使い方が魅力的でいい感じです。
さらにヴィラン側のミスティーク。前作でも大活躍でしたが、本作ではそれを上回る変身能力を活かした活躍っぷりでした。変身という能力はありきたりですが、それをここまでの強キャラ仕上げてきたのは大正解です。
そして前作ではパッとしなかったジーン。正直に言えば本作中でもパッとはしませんでしたが……これ以上はネタバレなので書けないので自分の目でチェックしましょう。
サイクロップス?誰だっけ?
X-MEN:ファイナルディシジョン(2006年)
『X-MEN2』からの続編となる『X-MEN:ファイナルディシジョン』(原題:『X-Men: The Last Stand』)です。
前作で死亡したと思われたジーンの真相に迫るシリーズ3作目です。(プロモーションにも登場しているしネタバレではないよね……?)
見どころは何と言ってもジーン(フェニックス)の制限ぶっ壊れの超能力です。間違いなくシリーズを通して最強です。
1作目で影が薄かったのは本作で大活躍するための伏線だったんだ、と思わせるほどの暴れっぷりです。
しかし、大きな不満もあります。それがミスティークの扱い。詳しくは書きませんが、いくらなんでもあれは無いんじゃない?ここまでX-MENの魅力を牽引してきた立役者なのに……
あとはサイクロップスがかわいそう過ぎる。『X-MEN2』でも影が薄かったのにまさかあのままになるなんて……
そして3作通して見ても、やっぱりローガンとジーンが愛し合った理由が分からない。ローガンが主役だから持っていきたい展開は分かるけど……最後にローガンが果たす役割はむしろサイクロップスで良かったのでは?
ウルヴァリン:X-MEN ZERO(2009年)
これまで時系列順に進んできたX-MENシリーズですが、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(原題『X-Men Origins: Wolverine』)では19世紀に遡り、ウルヴァリン(ローガン)誕生の秘密に迫ります。
本作でウルヴァリンがいかにして生まれたか。そして『X-MEN2』で記憶の断片として出てきた鋼の爪を手に入れた経緯が明らかになります。
これまで強力なミュータントの影に隠れていた(?)ウルヴァリンですが、本作で本領発揮です。
さらに登場するミュータントほとんどが肉弾戦向きなので、男たちがバチバチに殴り合う迫力のアクションを楽しむことができます。またプライベートショットとでも言うべき、ミュータントではなく一人の人間としてのローガンの人の良さも感じることができます。
幼少期のサイクロップスが出てくるなど、これまで映画を追いかけてきたX-MENシリーズファンに嬉しい演出も盛り込まれています。
また本作に登場するウェイドは未来のデッドプールなので、
というファンにもおすすめです。
それとストーリーそのものには関係ないですが、X-MENシリーズは良いキャラクターや罪なき人間を躊躇なく退場させるのが得意ですよね。この先の作品を見ていくのが怖くなります。
X-MEN:ファースト・ジェネレーション(2011年)
『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』の舞台は1960年代、まだミュータントの存在が世に知られる前のこと。
X-MENの創始者であるチャールズ(プロフェッサーX)と宿敵エリック(マグニートー)の出会いと別れを描きます。
なぜチャールズとエリックは袂を分かつことになったのか?なぜチャールズが車椅子なのか?チャールズとミスティークとの意外な関係とは?
これまで謎に包まれていた「X-MENの始まり」が全て明らかになります。
X-MEN創成期の話というだけあって面白くないはずがない!これまでのシリーズではミュータントが広く知られている状態で話が進んできまし。一方で本作はミュータントを探し出し、チームとして成熟していく”訓練シーン”など、チーム形成の過程を楽しむことができます。
そして本作最大のポイントはチャールズとエリック。二人は言うなれば光と影。
裕福な家庭に生まれ十分な教育を受け、不自由なく育ったチャールズ。一方でユダヤ人としてナチスに迫害され母親を無残に殺されたエリック。
彼らが目指すものは同じでミュータントの自由ですが、その手段と到達点は全く異なるもの。
どちらが悪いとか間違っているとかはありません。だからこそ彼らが対立してしまう未来が悲しい。
見応えのあるアクションはもちろんのこと、入りやすくそれでいて深みのあるストーリー。これまでのX-MENファン、初めてX-MENを見る人、どんな人にもおすすめできる傑作です。
- X-MENの成り立ちが明らかになる!
- チャールズとエリック、長きに渡る対立の始まり
- シリーズで一番の”チームアクション”が楽しめる!
ウルヴァリン:SAMURAI(2013年)
時間がようやく現代に戻ってきた『ウルヴァリン:SAMURAI』。時系列的には『X-MEN:ファイナルディシジョン』の直後となります。
本作の見所はとにかく、
全編に渡って日本が舞台であり、何よりも日本人俳優、真田広之がとてもいいキャラクターを演じています。
個人的には、ハリウッド映画にありがちな”変な日本”はかなり抑えられていると思います。
ウルヴァリンが通る街並み、和風の屋敷、ジャパニーズヤクザ、などなど全てが本格的。ザ・日本です。日本への愛が感じられます。なお、日本の地理感や季節感がめちゃくちゃという意見も多いですが、世界中で公開されたものなのでそんな細かいところはどうでもいいって感じでしょうか。
なお本作の位置づけとしては「ウルヴァリンが傷ついた心を取り戻す」「次作へのつなぎ」の役割が大きいです。
正直エピローグ以外は見ても見なくても大丈夫です。
それにしてもX-MENシリーズはガチのクズ野郎をさらっと出してくるのが良い。……はい。今作で重要な役割を担うヤシダ様のことです。
X-MEN:フューチャー&パスト(2014年)
リブート3部作の2作目『X-MEN:フューチャー&パスト』。
タイトルのとおり過去と未来が行き交うタイムトラベルものです。
シリーズの中でも傑作と言える前作『X-MEN:ファーストジェネレーション』の続編ということで期待が高まります。
まずアクションシーンは毎度のことですが新たなミュータントが刺激的です。特に空間を操る力を持つ“ブリンク“の、チームワークを活かした戦い方は新鮮でワクワクします。
そして何よりも“クイックシルバー“でしょう。見ていて楽しすぎる!!そして強すぎる!!強すぎるため途中退場してしまうのが残念です。
ストーリー構成も、旧3部作と新3部作を合流させるという目的において上手いこといったな、という感じがします。そこまで評価の良くなかった旧3部作も含めてシリーズの完成度を高めた重要な作品になりました。
- 未来と過去、並行して進む戦いの緊張感!
- クイックシルバーが最高!!
- 旧3部作と新3部作の見事な合流
デッドプール(2016年)
デッドプール=ウェイド・ウィルソンの初登場は『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』ですが、この時の彼は何も喋れない、命令にだけ従う殺戮兵士として登場しました。
ということで本作がデッドプールとしての本領発揮なわけですがこれがもう最高です。
シリアス路線であるX-MENとは一線を画し、暴力、下品、エロスのオンパレード。特に通常のアメコミヒーロー映画では絶対にありえない”第4の壁”を超えて観客に語りかけてくる演出は、他の追随を許さない圧倒的なオリジナリティを生み出しました。
とにかく死なないヒーローであることを活かした無茶苦茶なアクションシーンは諸手を挙げて称賛できますし、また終始ギャグに溢れてはいるもののストーリーは普遍的な愛の尊さを訴えるものであり、斬新さと王道が絶妙な具合に合わさった傑作です。
- こんなアメコミヒーロー見たことない!下品でクズ野郎で最強のデッドプール!!
- 死なない!とにかく死なない!
- ”第4の壁”を乗り越える規格外のヒーロー
X-MEN:アポカリプス(2016年)
『X-MEN:ファーストジェネレーション』から始まった新3部作の完結編が『X-MEN:アポカリプス』。
人類史上初のミュータント”アポカリプス”が現代に蘇り、地球に危機をもたらします。前作『X-MEN:フューチャー & パスト』で世界が再編されてから10年後、1983年の物語です。
一つの見どころとしては、ストームやサイクロップス、ジーン・グレイさらにナイト・クローラーなど、これまでX-MENを追いかけてきたファンにはおなじみの面々の(再編された世界での)少年期とオリジンが描かれる点です。新3部作で登場したキャラクターとの意外なつながりが明らかになります。
さらに本作でも一番楽しいシーンはクイックシルバーでした。飄々としたキャラ設定と、彼が繰り出す様々な(ふざけた)アクションはどう転んだって楽しい。最終決戦のバトルシーンが霞むほどの面白さです。
と、その一方でキャラクターの扱いは微妙というか正直言って最悪です。特に前作から引き続き『X-MEN:ファーストジェネレーション』の第1世代を退場させ、ついに新3部作からの新キャラは全員いなくなってしまいました。
あと気になったのはウルヴァリンがいた場所。そもそも前作の『X-MEN:フューチャー & パスト』のラストで”そうならない未来”が暗示されていたと思うのですが、あれはいったい何だったんだろう。次作への展開の都合なのでしょうか。
あとはいくらなんでもマグニートーが強すぎるとか、一般人のモイラをあんな危険な戦場に連れて行くこととか、そもそもアポカリプスって不死のミュータントに転移してなかった?それなのに最後のあれが有効なのはおかしくない?
などなど疑問は尽きませんが、それでも最終決戦はミュータント同士の大乱戦という感じで見応えがありました。
ローガン(2017年)
これまでX-MENを引っ張ってきたローガン(ウルヴァリン)=ヒュー・ジャックマンの最終作。
時系列上は『X-MEN:フューチャー & パスト』の後の世界らしいですが、その観点で見ると絶望します。
「これなら未来改変しないでミュータント一同仲良く滅んだほうが良かったのでは?」と思うぐらい、プロフェッサーXとローガンの置かれた状況が悲惨すぎる。
さらにミュータントもほぼ出てこないので「X-MENシリーズファンとして見るとなんかイマイチだな」というのが正直な感想です。
だがしかし!ローガンという一人の男の物語の完結編として見た時、本作のラストは苦悩にまみれた彼の人生が全て報われた瞬間であり、これ以上の幕引きがあっただろうか、と思える傑作です。
ストーリーだけではなく、デッドプールの大成功によるレーティング指定で制作した結果、もうグッサグッサ。胴体に、首に、顔面にウルヴァリンの爪が突き刺さり、首が飛ぶ。銃をぶっ放せば頭が吹き飛ぶ。これらがそのまま隠さず映し出されます。X-MENシリーズで最高の迫力と凄まじいバトルが見られます。(ただし本作の戦闘はほとんど爪で刺すパターンなので、最後の方は若干飽きてしまいました……)
そして何と言っても謎の少女ローラが素晴らしい。あの顔つき、佇まい、身のこなし。あの可愛らしい少女が殺戮を繰り広げるシーンはとんでもないインパクトです。これ以上に完璧なキャスティングを見たことがありません。全てが満点です。本作の魅力の半分はローラでできていると言っても過言ではないでしょう。
とにかくローガンの完結編として大傑作です。ただしあまりにも暴力的なものが苦手な人や、これまでのX-MENを愛して止まない人にとっては苦痛となる作品かもしれません。
- 老いたローガンが老体に鞭を打ち最後の戦いに挑む!
- 謎の少女ローラ。表情、佇まい、身のこなし、全てが完璧!!
- 悲しくも暖かい、ローガンの全てが報われる幕引き
デッドプール2(2018年)
下品なギャグやデッドプールの強さはそのままに、単なる続編にはとどまりません。
前作のテーマは「愛する人を守る」でしたが、本作のテーマは
といった、これまた超王道のストーリです。
「デッドプールでしょ?何言ってんの?」
と思いますよね。でも見れば分かります。この映画は間違いなく家族の映画、ファミリームービーです。
さらに本作では遂に(?)X-MENシリーズとデッドプールのクロスオーバーが実現します。(ちょっと言いすぎかもしれないので、ご自分の目で確かめてください!)
本編と関係ないところでは忽那汐里が演じるユキオがめっちゃいい感じです。
出演シーンは少なめですが、華麗に戦いそして可愛い。ぜひ、X-MEN本編でもユキオの座を奪ってほしい。
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X-MEN:ダーク・フェニックス(2019年)
FOXによるX-MENシリーズの集大成が『X-MEN:ダーク・フェニックス』。
『X-MEN:アポカリプス』の活躍によって人々を助けるスーパーヒーローとしての地位を高めたX-MEN。
そんなある時、アメリカの宇宙船が太陽フレアによって故障。ジーン・グレイをはじめとするX-MENたちが救出へ向かう。しかし太陽フレアと思われたものは未知の物質で、それを大量に浴びたジーンが強大な力に目覚めてしまう……
集大成となるはずだった本作、かなり微妙です。
アクションは相変わらず抜群です。ジーンのぶっ飛んだサイコキネシスやナイトクローラーの空間移動、そして何よりクイックシルバーの超速移動などなど。
しかし、それだけなんだなぁ。
ウルヴァリンが引退して主役不在となった本作、なぜか突然ジーンにスポットが当てられたものの突然すぎて感情移入が難しい。というかそれまでヒロインポジションだったはずのミスティークの扱いが残念過ぎます。大人の都合?
さらに大人の都合と言えば、MCUに唯一勝ってたはずのクイックシルバーの出番が少なすぎて物足りなさがハンパないし、物語的にもあまりにも不自然です。
さらにさらに、本作のヴィランがぽっと出・オブ・ぽっと出のため、こいつらが何のために戦ってるのかよくわかりません。近年のアメコミヒーローものはヴィランの魅力が不可欠なはずですが、それがまるっきりありません。
と、欠点ばかり挙げてきましたが戦闘シーンは普通に楽しめますし、何よりも現代アメコミヒーロー映画の基礎を築いたX-MENシリーズの最終作として、称えたいと思います。
X-MENシリーズを見よう!!
以上、X-MENシリーズの見る順番を紹介しました。
一応デッドプールをシリーズに含めてみましたが、結局合流はありませんでした。
しかし、X-MENはマーベルに返却されFOXがDisney傘下となることで、アメコミ映画の王者MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)との合流も可能な状態になりました。
今後X-MENが新天地で大暴れしてくれることを願いましょう!!
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