なぜ映画『十三人の刺客』は最高なのか

こんにちは。

「最高の映画」は人それぞれあるでしょうが、私にとっては2010年公開の三池版十三人の刺客が最有力です。

十三人の刺客<Blu-ray>通常版

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なぜか最近『十三人の刺客』を初めて見たときの興奮を思い出しました。

そこで今回はなぜ映画『十三人の刺客』は最高なのかを熱く紹介します。

映画『十三人の刺客』概要

あらすじ

舞台は人を斬ったこともない武士が増えた江戸の後期。

将軍の異母弟にあたる明石藩主松平斉韶は暴虐・無法の限りを尽くしていた。斉韶が幕府の老中に内定し、それを危惧した明石藩老中土井大炊頭は御目付役の島田新左衛門に対し、斉韶の暗殺を依頼した。

新左衛門の下には凄腕の剣客が集い、総勢"十三人の刺客"が平和のため立ち上がる。

リメイクされた『十三人の刺客

この映画は、時代劇映画の名作との呼び声も高い1963年公開の工藤栄一監督の『十三人の刺客』を、約半世紀の時を経て現代風にアレンジした作品です。

監督は『クローズZERO』や『悪の教典』など次々に話題作を手がける三池崇史

悪の教典

悪の教典

私は三池監督の特別なファンというわけではなく、それまで監督した映画も見たことはありませんでした。

またリメイク版ということですが、元々のオリジナル作品も見たことはありません。

それでもこの作品が大好きなのは、オリジナルがどうとか、時代劇がどうとか抜きに、単純に2010年公開の三池版『十三人の刺客』がとにかく素晴らしかったからなのです。

なぜ映画『十三人の刺客』は最高なのか

ではここから映画『十三人の刺客』の最高ポイントを一気に紹介していきます!

直球ど真ん中エンターテイメント

まず小難しいことを何も考えずに見られる単純明快なストーリーという点があります。

あらすじをグダグダ書きましたがこの映画を一言で説明するなら、


「めっちゃ悪いやつを、十三人で力を合わせてぶっ倒す話」


です。分かりやすいまでの”勧善懲悪”です。


「正義とは何か」「それぞれの正義がぶつかり合う」「答えのない戦い」


など、そんな哲学的なものはありません。もう200%主人公側(新左衛門)が正義。とにかく悪を倒すことが全てで、それ以外に正解はない。

PG12ですが、子供からお年寄りまで、誰が見ても、1000人見れば1000人が主人公を応援する、そんな直球ど真ん中のエンターテイメントだから楽しい。

ぶっちぎりの悪人、稲垣吾郎

ここまで単純明快な勧善懲悪ストーリーにできたのは、悪役が素晴らしいからです。映画『十三人の刺客』最大のポイントと言っても過言ではありません。

そしてその悪役松平斉韶を演じるのが元SMAP稲垣吾郎

この演技が変態的に素晴らしい。


不気味、怖い、残忍、気持ち悪い、鬼畜、変態。

ありとあらゆる負の言葉が当てはまる最恐最悪の外道。それを完璧に、いや想像を遥かに超えて怪演した稲垣吾郎


スクリーンに映る松平斉韶(稲垣吾郎)は、誰がどう見ても、


「こいつ、今すぐぶっ◯さないとヤバイ!!!!!!」


と思わせるキャラクターです。

観客は斉韶の鬼畜の所業を目撃することで、十三人の刺客と同じ「打倒、斉韶!!打倒、吾郎!!」の共通目的を植え付けられる。だから全力で刺客を応援し、心から勧善懲悪を楽しめるのです。

十三人の刺客たち

先に紹介してしまうほど本作の悪役が素晴らしいのは間違いないですが、もちろん十三人の刺客たちも素晴らしい。


さすがに13人にもいると、

「5、6人と残り何人かの刺客」

という感じが否めないですが、その5、6人のキャラ立ちが最高なんです。

島田新左衛門(役所広司

まずは主役。役所広司演じる島田新左衛門


刺客のリーダーとして、統率力があり人情に厚く正義感溢れるおっさん。

「斬って斬って、斬りまくれーーーーー!!!!!」

が頭から離れません。

島田新六郎(山田孝之

主人公・新左衛門の甥という立場で、山田孝之が演じる島田新六郎。


戦を知らない世代であり、剣を覚えてもそれを活かせることはない。

その結果酒や女に溺れる毎日。そんなおり叔父の新左衛門から仇討ちという生きがいを与えられる。

怠惰な生活はしていても、本気を出すとクソ強い。山田孝之の演技力もさすがです。


新六郎はこの物語の真の主人公とも言えます。戦を知らない世代が戦に憧れ、戦を通して何を感じたのか。侍の未来をどう見たのか。

映画『十三人の刺客』は、新六郎がその答えを見つける物語でもあります。

三橋軍次郎(沢村一樹

イケメンで品の良さが溢れ出る三橋軍次郎沢村一樹が演じます。


参謀というポジションがぴったりの役柄で、どこからどう見てもいい人。おっさん臭い面々が並ぶ中、清々しさがある。

一方でめちゃめちゃ剣の腕が立つ。そして見た目に反して荒っぽい。そのギャップが良い。

山九十郎(伊原剛志

十三人の中で一番好きな刺客。伊原剛志が演じる凄腕の浪人山九十郎。


「剣のことだけ考えて生きてきました」

という風貌。もちろんそのとおり。


「人を斬ったこと?数え切れないほどありますけど?」

と言わんばかりの雰囲気。もちろんそのとおり。


事実、くっそ強い。こいつが一番強いだろとひと目見て分かる。その雰囲気を作り出す役者も凄い。

剣の腕がピカイチなのに、勝つためには何だってする姿勢も本気で命かけているからこそ。

最終決戦で九十郎が取る戦法には鳥肌が立ちます。必見です。

倉永左平太(松方弘樹

時代劇のベテラン中のベテラン、松方弘樹が演じる倉永左平太


もうとにかく松方弘樹すげー」の一言に尽きます。


登場したときの「キターーーーーーッ!!!!」感がハンパじゃない。この人を待ってました!!!温和で優しいおじいちゃんに見えるけど、熱い気持ちが溢れ出ている。

そして何と言っても殺陣。他の役者も素晴らしいけれど、明らかにキレが違う。一人だけ別の次元にいるかのようなキレっぷり。

刀を振るたびに「ビシッ!バシッ!」と効果音が聞こえてきそうです。

木賀弥太郎(伊勢谷友介

十三人の中でただひとり、侍ではない刺客。木賀弥太郎伊勢谷友介が演じます。


常軌を逸した行動や独特の思考、刀を使わず予測できな戦闘スタイルは2時間20分の映画を飽きさせないアクセントになっています。

このキャラクターは侍に対するアンチテーゼのような存在で、初めて戦を経験した新六郎が辿り着く”ひとつの答え”でもあります。

コメディ要素が多い人物ですがそれだけではなく、新六郎が探す「侍の未来」に大きな影響を与えるキャラクターです。

その他何人も素晴らしい

特に印象的な6人を挙げましたが、残りの7人も槍を使ったり爆弾を使ったり、正義に燃えるいいキャラばかりです。

古田新太六角精児と言った癖のある役者から、窪田正孝など今大活躍の若手まで勢揃い。

さらに敵役に市村正親、ちょい役で松本幸四郎岸部一徳内野聖陽など、非常に豪華なキャスト。画面を見ているだけで楽しめます。

13人 VS 300人!ラスト20分の大合戦!

映画『十三人の刺客』最大の見所は、13人 VS 300人が繰り広げるラスト20分の大合戦です。


「ラスト20分はラストじゃないだろ!」

と思いますか?私もそう思います。でもね、そんなこと忘れてしまうほどのとんでもない戦いがそこにはある!

圧倒的に不利な状況の中あらゆる奇策を講じ、十三人それぞれに見せ場がある最後の戦いは日本映画史に残る死闘です。


誰が勝つのか。誰が生き残るのか。

手に汗を握るとはまさにこのことだと教えられた気がします。

究極のカタルシス

私がこの映画を忘れられない最大の理由がこれです。


「これが、カタルシスってやつなのか……!!」


と理解し、体をビクンビクンさせたシーンが、ラスト20分の手前にあります。


それは暴君斉昭に鬼畜の所業を受けた、ある女性が書いたものを、新左衛門がバーっと……


……これ以上は言えない!!作品を見て!!あの興奮を味わって!!!

「うぉぉぉぉぉぉ!!!!やったるでーーーーー!!!!」

ってなるから!絶対なるから!

映画『十三人の刺客

以上、2010年公開の三池版映画十三人の刺客を紹介しました。


残虐でグロいシーンや、血しぶきも飛びまくるので、正直言って好き嫌いが別れる作品だとは思います。

しょうもないギャグシーンもあり、個人的に嫌いな部分もあります。

それでも「最恐最悪の敵 VS 十三人の刺客」というわかりやすい構図。日本映画史に残る大合戦。心震わせる究極のカタルシス

頭にこびりついて離れない映画体験がそこにはあります。


まだ見たことがないという人はぜひ、映画『十三人の刺客』を体験してください。忘れられない映画になること間違いなしです!。

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