こんにちは。
2018年11月公開のマーベル映画『ヴェノム』を見ました。
マーベル映画といえば『アベンジャーズ』でお馴染みのMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)が有名ですが、この作品はアベンジャーズシリーズと全く関係ありません。(制作会社がソニー・ピクチャーズ)
また原作コミックにおけるヴェノムは、スパイダーマンの敵として登場しますが(少なくとも)本作においてはスパイダーマンの”ス”の字も出てきませんので、「スパイダーマンを見たことが無い」という人でも楽しめます。
そんな映画『ヴェノム』の感想と見どころをご紹介します。
作品情報
あらすじ
宇宙開発に取り組むライフ財団は、秘密裏に宇宙で発見した生命体を3体地球に持ち帰ることに成功した。
一方その頃、報道記者のエディ(トム・ハーディ)のところへライフ財団代表のドレイクへインタビューする仕事が舞い込む。以前からライフ財団を疑問視していた彼は、偶然にも財団が人体実験を行っているという情報を入手しインタビューでその質問に踏み込むがドレイクの逆鱗に触れ仕事、恋人を失ってしまう。
半年後、全てを失い自暴自棄になった彼のところへ意外な人物から連絡が入るのだった……
監督
出演
エディ・ブロック:トム・ハーディ
アン・ウェイング:ミシェル・ウィリアムズ
カールトン・ドレイク:リズ・アーメッド
映画『ヴェノム』の感想
異種間バディムービー
映画『ヴェノム』を一言で表すならば異種間バディ・ムービーです。
映画館で流れるた予告編では、禍々しいホラー映画のような雰囲気でした。しかし蓋を開けてみると、
- 主人公エディと彼に寄生したヴェノムが、互いの文化の違いで衝突する
- メソメソするおっさん(エディ)をヴェノムが励ます
- 生活を共にし、互いに理解を深めていく
- 共通の敵を見つけ力を合わせて戦う
という、どこからどう見ても王道バディムービーでした。ダークヒーローと言うくらだから善悪を超越した世界観の話かと思っていたので、正直なところ拍子抜けしてしまいました。
しかしそれは「当初の印象と違う」だけで、ヒーローアクション×バディムービーとして見れば非常に楽しめる作品です。
ヴェノムがキモかわいい
この映画の目玉は何と言ってもヴェノムです。
プロモーションを見る限り非常に恐ろしく、グロテスクな印象がありましたが、本編を見るとまぁキモかわいい。
確かにグチャグチャの体で、ギザギザの歯をむき出しにし、長ーい舌を出している姿はキモい。
しかし、エディに寄生してからの言動やエディとのやり取りはおもしろおかしく、段々とかわいく見えてくるから不思議です。
- 銃が怖くて手を挙げるエディに「ばんざいダサい!嫌だ!」と言って手を降ろさせる
- ヴェノム「人間食いたい!」エディ「食いたくない!」
- チキンを食べたヴェノム「まずい!!これ死んでる!!!」
と、コミカルなやり取りが目立ちます。
さらに自己中心的な行動を取った結果、恋人を失業させてしまったエディに対して「お前さあ、ちゃんと謝った方がいいぞ?」とアドバイスするなど、普通にいいヤツです。
この辺の妙に人間臭いヴェノムのキャラクター像が、バディムービーとしての面白さを際立たせます。
”シンビオート”を活かしたアクションシーン
ヴェノムは"シンビオート”と呼ばれる寄生体。
その特徴は、他の生物に寄生し、形を自由自在に変え、人間の常識では考えられない力を発揮し、宿主の傷も瞬時に修復する、というものです。
そんなシンビオート=ヴェノムを活かしたアクションが本作最大の見どころのひとつです。
特に物語中盤に繰り広げられるカーチェイスでは、これまで見たこともないような意表をつくアクションが満載で、ヴェノムの圧倒的な力が存分に発揮されます。
また終盤で繰り広げられるとある敵との戦いは、映画史に残るグッチャグチャ大戦です。
VFXを活用した今の時代の技術だからこそ成し得たこのCGアクション、ぜひ目撃してください!!
MCUにインスパイアされた”あれ”もある!
冒頭で紹介したとおり映画『ヴェノム』はソニー・ピクチャーズ制作であり、マーベル・スタジオ制作のMCU(アベンジャーズなど)とは全く無関係の世界観です。
しかし!!アベンジャーズの大成功を受けて、なのかはわかりませんが、アベンジャーズシリーズ恒例の”あれ”があります。
それは……
「あるかな、あるかな!?」
と楽しみにしていたら本当にありました。しかもエンドクレジットが非常に楽しみになる内容で……
っと、この続きはぜひ自分の目で確かめてください!!
話が雑
と、基本的には満足する内容の映画『ヴェノム』でしたが、不満もあります。
それは
特に、
- なぜヴェノムは心を入れ替えたのか(エディとの共生を目指したのか)
- 前半であれだけ実験に失敗していたのに、誰彼かまわず寄生できるのか
という2点は非常にモヤモヤします。
その他にもシンビオートが気付いたら死んだ(?)ことになっているとか、ウサギとの融合シーンが映されないとか、最終決戦があっけなさすぎるとか、予算の関係もあるのでしょうがなかなか雑な点が目立ちました。
ハッピーエンド……と思ったか?
これは不満とは少し違うのですが、気になった点としてラストシーンがあります。
映画『ヴェノム』におけるこのラストシーンは、一見するとコミカルでスカッとするハッピーエンドに見えます。
しかしよくよく考えると、疑問が浮かんできます。
エディが本編中にヴェノムと融合した直後にあんなに嫌がっていた”ある行動”を、躊躇せず積極的に取ります。
ヴェノムと共生する上である程度の妥協が必要というのはわかりますが、少なくともあの行動判断はまともな人間のすることでは無いでしょう。
「なんか共生とか言ってるけど、普通に精神蝕まれてるんじゃ……」
と思うほどモヤモヤするシーンでした。
このもやもやする文章の真相を知りたい人はぜひ劇場へ!!
お前も……ヴェノムだ!!
以上、マーベル映画『ヴェノム』の感想でした。
「最も残虐なダークヒーローが誕生する」
とか言いながらその実態は、冴えないおっさんとキモかわいい地球外生命体の異種間バディムービーです。
アクションあり、恋愛あり、友情ありの王道ストーリーで、PG12ではありますが「ヴェノムがキモい!怖い!」と思うのは最初だけで慣れてしまえば女性や子供でも十分楽しめる作品だと思います。
印象だけで拒絶せず、ぜひ映画『ヴェノム』を自分の目で確かめて見てください!
そして最後にこう叫びましょう。
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