映画『SCOOP!』の感想 何者かを目指すパパラッチたちのバディ・ムービ

こんにちは。

Amazonプライムビデオで福山雅治主演の映画『SCOOP!』を観ました。

男前な福山雅治ゲスなパパラッチを演じ、週刊文春を彷彿とさせる写真週刊誌の裏側を描いた映画ということで、期待度は高めでした。


感想としては、


二階堂ふみのボディラインがたまらん!!!!!


……

あ、間違えました。

感想としては、

「大満足のエンターテイメント!でも後半の展開が……」


でした。

感想を綴ります。
(ネタバレ注意!!)

あらすじ

かつて写真週刊誌「SCOOP!」に所属し、数々のスクープ写真を撮ってきたカメラマンの都城静(みやこのじょうしずか)は、今では借金を抱え、フリーランスのパパラッチとして生活している。

そんな中、「SCOOP!」に配属されてきた新人記者・行川野火(なめかわのび)とタッグを組むことになる静。

最初こそ相容れなかった2人だが、次第に力を合わせ、次々とスクープをものにしていく。やがて静たちは大きな事件に関わることになり……。

感想

文句なしのバディ・ムービー

『SCOOP!』前半の展開は典型的なバディ・ムービーです。

静(福山雅治)は「芸能人のケツ」ばかり追いかける落ちぶれた、でも腕は確かなベテランカメラマン。印象はまさに一匹狼

対する野火(二階堂ふみ)は、ファッション雑誌を希望していたものの、何となく合わずに流されるまま写真週刊誌に流れてきた素人新人記者。見た目も言動も「駄目そう」という印象で、実際ぐだぐだ。


当然ながら足を引っ張る野火。ですが、それを静が経験とテクニックでカバーし実戦で野火を鍛えていく。そして野火は成長し、いつの間にか抜群のコンビネーションを発揮するバディへと成長する。


「偏屈な老兵が、ダサいけど可能性を秘めた新人を育て、仲間となっていく」

この過程はありがちなバディ・ムービー。ありがちですが、だからこそ間違いなく面白い!

ベタな展開だけで話の面白さは約束されたようなものです。だってバディ・ムービーって面白いじゃん。

さらにそれに拍車をかけるのが「写真週刊誌」という舞台でしょう。

ワクワクする「写真週刊誌」の舞台裏

今や飛ぶ鳥を落とす勢いの写真週刊誌、というか週刊文春

今明かすスクープの秘密40 (文春MOOK)

今明かすスクープの秘密40 (文春MOOK)


『SCOOP!』は週刊文春の舞台裏を連想させます。


「99%何も起こらない」大都会で、辛抱強くネタを探し、その時を待つ。決定的瞬間を盗み撮るために、隠しカメラ、情報屋、頭を凝らした”罠”など、あらゆるものを駆使するカメラマン。さらには現場だけではなく、怒号が飛び交い目まぐるしく人が動く編集部内。そしてガンガン上がっていく発行部数。


これはどれもこれも「観客がイメージする写真週刊誌の裏側」そのものだと思います。

だけれど、そのイメージを役者たちの熱演やカメラワーク、そして誇張した演出やアクションでくっきりバッチリ具現化している。

舞台は災害現場でもなければ戦場でもない。でもそこで描かれているのは「芸能人VS週刊誌」という紛れもない戦争。


演出は過剰で「実際にここまでは無いだろうな」とも感じますが、だからこそ写真週刊誌を舞台とした純粋なエンターテイメント、バディ・ムービーとして昇華しています。

リリー・フランキーの怪演

福山雅治の「ゲスなパパラッチ」、二階堂ふみの「素人丸出しのゆとり新人」を始め、役者陣の演技はどれも素晴らしかったと思います。


が、情報屋・チャラ源を演じたリリー・フランキーの演技は主役の福山雅治が霞むほどでした。

話がつまらなかったという人がいても、リリー・フランキーの演技に関してだけは満場一致でしょう。


登場時からのダメ人間っぷりと同時に、強烈に匂い立つ”ヤバいやつ”、”絶対問題起こすやつ”感が異常。

それも妙なリアリティを伴っていて「自分は会ったこと無いけど絶対いるじゃん」と、背筋が凍ります。


リリー・フランキーは映画『凶悪』でも素晴らしいと思っていましたが、それ以上でした。

blog.wackwack.net

リリー・フランキーの演技を観るだけでも、この映画を観る価値があります。

恋愛要素は必要だったのか!?

バディ・ムービーとしては文句なく面白かったのですが、後半に進むにつれ「ちょっとどうなの、これは」という点が目立ちました。

特に!特に!静と野火を恋愛関係(肉体関係)で結びつけてしまったのは……止めたほうが良かったよね。


全く出すなとは言いません。「匂わしておいて最後の最後、本当の気持ちに気付く」程度の方が物語としてもキレイだったでしょう。

この映画『SCOOP!』は、「仕事とは?人生とは?」という答えの無い問に、カメラマン・都城静が翻弄され必死に立ち向かう姿と、そこから観客自身はどんなメッセージを受け取るのか?が醍醐味なはずです。

そこに恋愛要素、必要ですか?あったとしてもスパイス程度でいいでしょう。それがあんなにガッツリ時間を使ってベッドシーンを演出するなんて……

実に残念です。残念ついでに言わせてもらいますけどね、


二階堂ふみの下着姿とボディラインが最高でした!!!ありがとうございました!!!!


……

はっ!文句を言うつもりが感謝してしまった!

観客をもゲスに変えるとは……『SCOOP!』なんて危険な映画なんだ!


他にも最後の事件は、静がどーとかチャラ源がどーとか……

「そもそも警察は何やってんだよ!」

と言うくらい展開に無理があって気に入らないです。


が、二階堂ふみのナイスバディに免じてこの辺にしておきます。

まったく……キャスティング大正解だったね!!!!(感謝)

映画好きにも、悩む人にも、ゲスにも

と、私のゲスな部分が目立つ感想となってしまいましたが、書いてきたとおり『SCOOP!』はバディ・ムービーとして誰もが楽しめるエンターテイメント作品です。

さらに自分が何者か分からず、何者かを目指す主人公・静の姿は、学生・社会人関わらず、現代社会で必死にもがく全ての人に、何かしらのメッセージを伝えてくれるはずです。


バディ・ムービーが好きな人、自分の生き方に悩む人、そしてゲスな人。それぞれ目的は違えど、きっと楽しめること間違い無しの『SCOOP!』おすすめです!


最後に、Amazonプライムビデオなら30日の無料体験で『SCOOP!』を観ることができますよー!