こんにちは。タイトルは劇中屈指のパワーワードです。
ようやく映画館で『アウトレイジ 最終章』を観てきました!
1作目の『アウトレイジ』、続く『アウトレイジ ビヨンド』はもちろん観賞済みです。
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前作の公開が2012年であり、5年も経っています。
「極上のジャパニーズヤクザ映画がまた観れる!!!!!!」
と、テンション爆上がりで行ってきました。
感想としては、
というところでした。
以下、詳しく書きます。
(過去作も含めてネタバレ注意!)
あらすじ
関東の山王会と関西の花菱会の間で起きたし烈な権力闘争の後、大友(ビートたけし)は韓国に拠点を移す。彼は日本と韓国の裏社会で暗躍する実力者張会長(金田時男)の下にいたが、ある時、韓国に出張中の花菱会の花田(ピエール瀧)が騒ぎを起こし、張会長の部下を殺害してしまう。この事件を発端に、張会長と花菱会の関係は険悪になり……。
感想
相変わらずの豪華キャスト
アウトレイジは話もさることながら、何が凄いってキャストですよ。
これだけの大物が並んでいれば、圧巻の一言。その面構え、ド迫力の演技、何もかも最高です。
「演技ができる役者が揃っていれば、ソレだけで良い作品になる」ということを思い知らされます。ある意味力技です。
特に印象に残ったのは大杉漣さんと白龍さん。
大杉連さんの役どころは関西最大のヤクザ「花菱会」の会長。でも大杉漣さんは「いい人役」のイメージが強いですよね。一方でアウトレイジの中では強い言葉で部下たちを罵っている。その様子がいい意味で全然似合ってない、小物っぽいんです。
で、まさにその通り。ヤクザの世界で小物が辿る道はただひとつ……と言った具合に、絶妙な小物リーダーっぷりでした。
続いて白龍さん。他の役者陣の演技はもちろん素晴らしいのですが、その人のイメージに引っ張られてしまい本当に僅かながら、どこか違和感を感じる。
だがしかし、白龍さんはまさに本物。しかもその役柄は冷静沈着で忠誠心が厚いNo2。物静かな佇まいがさらにリアリティを感じさせます。超自然な演技、表情、台詞回しに感服しました。
時が経ちすぎたんだ
と、役者のみなさん素晴らしかったのですが……完璧ではありませんでした。
それぞれ「頸椎亜脱臼」「脳出血」を煩い撮影がその直後であったため、そんなコンディションでもあれだけ魅せるのだからむしろ賞賛すべきだとは思うのですが、前作からの劣化は隠しきれないという感じでした。
特に花菱会の中田を演じる塩見さんは、前作『アウトレイジ ビヨンド』でNo.1と言って良いほどの顔面と怒号。まさに「本物のヤクザ感」がありました。
こちらのメイキング映像見ていただければよーくわかると思います。
www.youtube.com
それが今回はどう見ても痩せ細ったおじいちゃん。最初見た時に「あれ、こいつこんなキャラだったっけ?」と自分の記憶を疑ったほどでした。
その点は残念で、実にもったいない。あのリアルヤクザをもう一度見たかった。
しかし、脳出血という大病を患いながらも今作であれだけの演技ができる素晴らしい役者であることは間違いありません。
影を潜めたバイオレンス
アウトレイジと言えば「バイオレンス」。
前作までは観ていて、
「痛い痛い痛い痛い!!!!!」
と画面を正視できないようなシーンもありました。
しかし最終章は前2作と比べて明らかにバイオレンス要素が減っていました。
まぁそれもそのはずで、話の中心になる役職がどんんどん上がってしまったため、簡単にドンパチできない状況なんですよね。
『アウトレイジ 最終章』は単純なバイオレンスではなく、各人たちのポジション争いを描いた人間ドラマになっています。
もうこれは企業における足の引っ張り合い、内部のいざこざと同じです。現実の会社では銃が無いだけです。
だからこそ金や権力に興味がない、行動原理が「義理」である主人公・大友に違和感を感じます。損得で行動しない人間。現代社会から見れば最も不可解な部類かもしれません。
もしかすると大友というキャラクターには、「理由」「結果」といった具体的で分かりやすい「得」ばかりを求める現代人への批判が込められているのかもしれません。(それはさすがに考え過ぎか?)
バイオレンス要素は薄まったので、これまでのような派手さを求めているとちょっと物足りないというのが正直なところです。
しかし、それが逆に相変わらず単純なバイオレンスに身を任せる大友の異物感を増しています。その鬱々とした空気の重たさが、全てを精算しようとする主人公・大友の最終章の舞台としては相応しいのかもしれません。
見ないで済むかよバカヤロウ!!
以上、『アウトレイジ 最終章』の感想でした。
アウトレイジは基本的にお祭り映画だと思っています。
超豪華な役者さんたちの口喧嘩、ドンパチを見て楽しむ。正直に言ってその点では前2作に比べて見劣りします。
それでもイケメン俳優や可愛いヒロインが一切出てこない、これまでの経験と実力だけで魅せるおっさんたちの全力の演技。
他の日本映画と比べれば、文字通り「段違い」のエンターテイメントであることは間違いありません。
当然『アウトレイジ』『アウトレイジ ビヨンド』を観てからの観賞がおすすめです。
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