映画『ネイビーシールズ チーム6』感想~ウサーマ・ビン・ラーディン暗殺の全て~

2012年公開の映画『ネイビーシールズ チーム6』。Huluで観ました。

あの9.11の首謀者とされる”ウサーマ・ビン・ラーディン”を強襲・殺害した機密作戦の実行部隊、それがアメリカ特殊部隊『Navy SEALs』。

SEALsという名称は、SEがSEA(海)、AがAIR(空)、LがLAND(陸)と、陸海空のアルファベットの頭文字から取られており、アザラシ(英: seal)に掛けたものでもある。個々の“チーム”は単数形の「SEAL」であり(SEAL Team 1から10まで)、総隊は複数形の「s」が付く。

その名の通り陸海空問わず作戦行動を行える。その任務は、非正規戦、心理作戦、沿岸部での偵察活動、欺瞞作戦、海岸や河川での攻撃阻止、敵地での特殊作戦の策定及び遂行のための情報活動、対反乱作戦などとされており、海軍で最も秘匿性が高く、高度な訓練をされ、作戦遂行能力が高い。2011年5月にはウサーマ・ビン・ラーディンの殺害作戦を遂行している。

Wikipediaより


本作はウサーマ・ビン・ラーディン殺害作戦の決定、計画、実行までを描いたフェイクドキュメンタリーです。

もちろんウサーマ・ビン・ラーディンの殺害作戦に関与したことはニュースで知っていますし、以前SEALsのドキュメンタリーを見て興味があったので今回この作品を観てみました。

あらすじ

9.11の悲しみから10年。遂に、正義は果たされた―。世界を救ったのは、〈ネイビーシールズ:チーム6〉の死よりも過酷な作戦だった! 国を懸け、執念に燃えるCIAが緻密に計画したのは、アメリカ最大の敵オサマ・ビンラディンを殺害した〈ジェロニモ作戦〉。史上最も衝撃的なこの作戦を見事成功させたのが、“チーム6”=アメリカ海軍ネイビーシールズの精鋭のみで結成された対テロ特殊部隊DEVGRU (デブグルー) である。強さを極めた男たちはいかにして“悪魔”をとらえたのか―。

Huluより

  • 公開:2012年
  • 監督:ジョン・ストックウェル
  • 出演:カム・ジガンデイ、アンソン・マウント、フレディ・ロドリゲス、アルヴィン・イグジビット・ジョイナー

感想

映画全体を観て感じたのは何かテーマがあるのではなく、「こんなことあったらしいけどどう思います?」という問いかけの作品だということです。

話はフェイクドキュメンタリーですが、そこには人間ドラマだとか作戦にかける思いだとか、そいういうものはほとんど描かれません。

主な登場人物は作戦を指揮するCIA部員、現地でスパイするCIA諜報員、そして作戦実行部隊のシールズチーム6の面々。ですが、観ていて誰が主人公なのかもよく分かりません。強いて言えばチーム6のリーダーなのかと思いますが、”こんなことがあったらしい”とでも言うかのように、ただ淡々と話が進んでいきます。

全編を通しての見せ場はやはり作戦実行の場面ですが、それすらもドラマティックな演出は無く部隊が着々とアジトを攻略する模様を撮影しているだけ。
その無駄なく動く派手さのない戦場は逆に非常にリアリティがありました。

そもそも世間一般に知れ渡っていることが題材であり、前述のとおり淡々と話が進むのでミッションコンプリートで話は終わるまで意外性のある展開、どんでん返しなどのハラハラドキドキはありません。
しかし、全てが終わりエンドロールが流れ始めると、現実世界の〈ジェロニモ作戦〉その後の情報が流れます。なんと、この作戦に関わった人間が次々と事故死を遂げているのです。

アメリカ政府が公表したジェロニモ作戦とその結果は真実なのか」

具体的な証跡にかける政府発表と、その後の不審な出来事。〈ジェロニモ作戦〉に対する疑問を大衆へ投げかけるため、映画自体には感情を与えず淡々とに作り上げたのではないでしょうか。


作品全体は地味なので本格的な戦争アクション、ヒューマンドラマを期待している方にはおすすめできません。
が、時間は90分と手軽に観れますし、〈ジェロニモ作戦〉とは何だったのか?そしてシールズとは何者なのか?をサクッと知りたい人は一度ご覧になってはいかがでしょうか。

ただし何の解説もなく用語が出てくるので、興味もなく見るのはちょっと辛いかも。

もっとシールズが知りたい人へ

余談ですが私がシールズを知ったきっかけはニコニコ動画

この動画でシールズ入隊のための訓練には『ヘルウィーク』という5日間不眠の地獄の訓練があると知り、ちょっと何言ってるか分からない!という衝撃を受けました。

そしてこの動画で出てくる歴史に残る名言。

教官「2番とは何だ!?」 訓練生「負けの1番です!!」

だってよ、蓮舫さん。