アルバム『ダンサブル』で新しいライムスターに出会う

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こんにちは。

2017年9月6日、ライムスター2年ぶりの新作アルバム『ダンサブル』がリリースされました。


ライムスターファンになって以来、私は欠かさずに初回限定盤を購入しており、今回もマッハで予約しました。

特に「これ!」という曲を中心に、アルバムをご紹介します。


「『ライムスター』ってなに?」という方はこちらをどうぞ。

blog.wackwack.net

アルバム『ダンサブル』感想

『ダンサブル』をここ2週間ほど聴いた感想は、

まだ引き出しがあんのか!?

でした。


彼らは日本におけるヒップホップの大ベテランです。もういい加減、


「何か似た曲あるよな」

「今回は目新しさが無かったな」


となってもおかしくありません。

もちろん「今までとまるで違う」とまではいきませんが、これまで積み上げてきたものベースに、これまで彼らに無かった音を生み出していく。

ライムスターはアルバム出すごとにそれを実行しています。そこがやっぱりすごいし、だから聴くのをやめられない。


今回のアルバムはタイトルにもあるとおり『ダンサブル』を感じさせる、これまでよりもポップでキラキラした楽曲が多いです。なお筆者はクラブに行ったことすらないので、それが本当にダンサブルなのかは分かりません。が、そんな素人にもダンサブルを感じさせるほどダンサブルです。


「じゃあポップになってヒップホップが薄くなった?」かと言えばそんなことはなく、これまでどおりキレキレのラップを披露しています。

ここのバランスや取り込む工夫がハンパじゃない。もはや狂気。

ということでライムスターが出会った、いや生み出した新しい季節『ダンサブル』の楽曲をピックアップしてご紹介します。

スタイル・ウォーズ

一発目のこの曲は、ダンサブルとは少し距離を置いた印象です。

むしろ前回のアルバム『Bitter,Sweet&Beautiful』の雰囲気に近いかなと。

などと思っていたら、前回アルバム最後の曲『マイクロフォン』と同じフレーズが出てくる。つまり「前作からの続き」的な立ち位置の曲。


「スタイル・ウォーズ」=「粋を競う」という、ヒップホップの源流を説いていて、これからこのアルバムで繰り広げられるダンサブルを予感させます。トップバッターに相応しい一曲です。

Future Is Born feat. mabanua

アルバム『ダンサブル』を代表する曲だと思います。

リズム、ビートがまさにダンサブル。ディスコを彷彿とさせ(行ったことないけど)、B-Boyたちがこぞってブレイクダンスするシーンが頭に浮かびます。

実際にミュージックビデオもめちゃめちゃ踊っていてカッコいい。

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HOOK(サビ)はこれまでに無いほどロディアスな展開。

J-POPのようでヒップホップ、ヒップホップのようでJ-POP。冒頭で触れたライムスターの「バランス感覚」がここに発揮されています。


リリックは「ヒップホップがアメリカの片隅で生まれ日本にやってきて今に至る歴史と、ヒップホップの持つ無限の可能性」を歌っています。

リズムはダンサブル、でもリリックは骨太なヒップホップ。間違いなくライムスターの新しい代表曲!!。

Back & Forth

ライムスターのカッコいいところを抽出して100倍に濃縮しています。

「カッコいいところ」とは何か。それは宇多丸」とMummy-D、2人のMCの「かけあい」です。

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複数のMCで歌うヒップホップでは「それぞれがバース(サビ以外)を作ってそれを順番にラップする」というのが普通の展開です。

ライムスターもそういう曲が多いです。


でもこの『Back & Forth』は宇多丸Mummy-D、2人のMCがひとつのバースを代わる代わるにラップしていく。

リズミカルで矢継ぎ早なマイクリレーはまるで言葉の弾丸

ヒップホップという名の弾丸で頭を撃ち抜かれた衝撃。ライブで最高に盛り上がる曲でしょう。

梯子酒

こういう曲があるからライムスターはやめられない!

ヒップホップの何たるかを歌うわけでもなく、愛や恋を歌ったわけでもない。

酒だ。酒を歌ったのがこの『梯子酒』。


大ベテランとなった今でもバカで気楽な曲を作っていることが、ライムスターのスキルの高さとヒップホップの裾野の広さを感じさせます。


「飲みたい時は何飲むの?」「生ビール」

で成立する歌が他にありますか?


MVは歴史に残る酷さ。良い。

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Diamonds feat. KIRINJI

このキラキラ感はライムスターの歴史上未だかつてなかった!

圧倒的キラキラ感ですよ。こんなキラキラしたトラックでおっさんたちがラップしていいのか?

いいんです!

この美しいキラキラなミュージックにバッチリ合わせてくるのがライムスター。

ライムスターが進化し続けていることを証明する一曲。論より証拠とはこのことです。

マイクの細道

『ダンサブル』収録曲の中で唯一、シングルでリリースされています。

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アルバムのクロージング曲ですが、

「これまでダンサブルに盛り上がったアルバムのテンポを沈めて次に向かう」

という印象を受けました。


曲全体は、「とにかく和」。

タイトルの『マイクの細道』はもちろん松尾芭蕉の『奥の細道』から。

リリックには「兵ども」という奥の細道リスペクトや、「雪」「桜」「紅葉」といった和の要素がてんこ盛り。

ここまで和の要素をうまく、美しく並べてヒップホップしているだけで最高です。


さらに曲のテーマ。

それはミュージックビデオでも表現されている「夢を追いかけて未だ森の中を彷徨うラッパー=ライムスター」


「ダンサブルのまま終わることなく、これからもあらゆるものへ挑戦し伝説を目指す」

というライムスターの意志表明だと感じました。既に次の作品が楽しみでしかたありません。

サクッと楽しめる『ダンサブル』

ここで紹介した曲以外も、全て聴き応えのある良い曲ばかりでした。

さらに特筆すべきでは「10曲41分」というコンパクトさ。

手軽にライムスターを楽しむことができます。そして手軽にも関わらず、中身はガッツリライムスターであり、さらにそこには新しい風が吹いている。

このコンパクトさで十二分にライムスターを知ることができるニューアルバム『ダンサブル』。

ミュージックビデオが気に入ったら、ぜひ手を伸ばしてみてください!

マイクの細道

マイクの細道