松本人志『ドキュメンタル2』の感想と今後の課題

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こんにちは。

松本人志『ドキュメンタル』シーズン2を全話見ました。


『ドキュメンタル』シーズン2 | 予告編 60秒


前作『ドキュメンタル』が大反響を受けての続編となります。

既にご存知の方も多いかと思いますが、『ドキュメンタル』のルールを簡単に説明すると、

10人の芸人が密室で6時間笑わせ合い、最後まで笑わずにいた1人が賞金1,000万円ゲット!
(賞金1,000万円は参加者が自腹で100万円ずつ出し合ったもの)

という『お笑いサバイバル』です。


私はもちろん前作のドキュメンタルも見ており、斬新な舞台設定のもと「地上波では絶対放送できない」であろう、笑いの連続にめちゃくちゃ楽しませてもらいました。

しかしそれと同時に、気になった課題をブログ記事にまとめていました。

blog.wackwack.net


この記事ではドキュメンタル2を見終えて、前回感じた課題をシーズン2でどのように解消したのか。そしてドキュメンタル2で感じた新たな課題についてまとめます。

ドキュメンタル2の出場者

記事の内容には全く関係ありませんが、一応今回の出場芸人10人を記しておきます。

個人的にはバナナマン 日村の攻めっぷりが好きでした。

前作ドキュメンタルの課題とドキュメンタル2での対策

私が前作のドキュメンタルを見て感じた課題は3つありました。それぞれの内容とそれらがドキュメンタル2でどのように改善されいたのか、まとめます。

展開が松本人志に委ねられてる感

複数台の監視カメラで10人の芸人の笑った/笑わない判定をしていますが、最終的なジャッジは松本人志が行います。

そのため、展開やその場の勢いでジャッジの軸がとてもブレている=本来排除したいはずの「作り手の意志」が介入してしまっていると感じました。
密室を監視する松本人志と複数のモニター
HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル より


これは特に解決されていませんでした。

前半明らかにアウトになっていたレベルものが後半は見過ごされていたりします。

しかし、人間が判断する以上は仕方がないことなのかもしれません。お笑いのコンテスト(M1やキングオブコントなど)でも、審査員のジャッジと視聴者のジャッジとには大きな差があったりしますもんね。

それに状況に応じてジャッジ基準を変えることは、試合展開を面白くするにも個人的には「有り」かなと思います。

カード制による緊迫感の欠如

決着が付かない感

この2つは関連性が高いため、まとめていきます。


ドキュメンタルにおいて、笑ってしまった芸人は一発退場ではなく「1回目はイエローカード」「2回目はオレンジカード」「3回目はレッドカードで退場」というように、段階があります。
イエローカードを出す松本人志
HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル より

そのため残り時間わずかになると「笑わせられなくても、笑わないでいた奴が超有利」な展開になってしまいました。


またとにかく笑わなければ退場しないので、前作では残り人数が減ってくると「こいつらもう笑う気無いだろ?」とガチガチに守備固めに入っている印象が強かったです。そのため「どうせ決着付かない」と先が見えてしまい、終盤でかなり萎えてしまいました。
シーズン1の終盤 HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル より



ドキュメンタル2において、この2つの課題は「ポイント制の導入」によりかなり改善されていました。

ポイントとは『敵を笑わせた回数』であり、最終的に2人以上の芸人が残った場合にはポイント数が最も多いものが優勝となるルールがポイント制です。
シーズン2のポイント制度
HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル シーズン2より


これにより「笑うのを我慢しているだけ」の芸人は優勝できなくなりました。

カードの累積が0でも、獲得ポイントが0であれば勝てないわけですから、最後まで残った芸人たちは何が何でも笑わせにいくしかありません。

ドキュメンタル2で最後に残ったのは、”笑わないけど面白くない”(ポイントが少ない)ジャンポケ斉藤・ノブコブ吉村と、”笑っちゃったけど面白かった”(ポイントが多い)FUJIWARA藤本・バイキング小峠の組み合わせになりました。

残り時間が最大の敵である前者は必死の攻撃に出て、反対にカードの枚数が敵である後者は笑わずに一発を狙う守備の体制となり、その攻防は白熱するものが有りました。


その結果、ドキュメンタル2では「ポイント勝ち」による大会初の優勝者が出ました。

ドキュメンタル2に見る新たな課題

前作で私が挙げたうち2つの課題をクリアし、より見応えのある『お笑いサバイバル』になったわけですが、それと同時に新しい課題も感じました。

新しいというよりは、前作のドキュメンタルから薄っすら感じていたものが今回のルール改正で顕著になった感じです。


それが、

終盤での下ネタ一辺倒の殴り合い

です。

ワンパターンな終盤の下ネタ

序盤は10人の芸人が10人それぞれに色んな攻撃を仕掛けていきます。

しかし終盤になるに連れて彼らの芸は、ほとんどが下ネタや食べ物を使った汚い絵面のネタばかりになります。しかもワンパターン。


ドキュメンタルでは「地上波では絶対できないような芸ができる」ため、これらを使うことが悪いとは思いません。嫌悪感を抱く人がいても番組説明にもある通り「不適切に感じることもあるけど了承して!」ということです。これに異議はありません。

ですが終盤の下ネタは同じことの繰り返し。現場の芸人たちはアドレナリン出まくりで楽しいかもしれませんが、見ているこっちは「またそれ?」という飽きがきてしまいます。

原因は「笑わせる相手」の違い

なぜこうなってしまうのかを考えると、笑わせる相手が異なることに原因があります。


通常の番組で芸人たちが笑わせる相手は無論「お客さん」です。だから一般の人たちが見ていて分かりやすい、引かないようなネタで勝負をしています。

それに対してドキュメンタルの相手は「目の前の敵(芸人)」です。そこに必要なものは良く練られたネタの構成や分かりやすいストーリーではありません。一発のアイデアと勢いです。

なぜならドキュメンタルの現場には演者である芸人しかいません。敵を目の前にした彼らは興奮し、ちょっとしたことで笑いが起こる可能性があります。だから「勢いに任せて手数を撃ちまくる」という手段に出るのが自然です。その中でも一発のインパクトがでかいのが、やはり下ネタなんでしょう。

世のおっさんたちも、飲み会での下ネタにはぷっと吹き出してしまうでしょう。おそらくそれに近い状態です。

しかしそれと同時に、居酒屋で隣のおっさんの下ネタを聞いても全然面白くないように、現場の空気を感じている芸人たちには面白いネタも、画面越しに見ている視聴者には伝わらない。いや、伝わる必要がない。

居酒屋のおっさんのつまらないギャグは一緒に飲んでいる仲間に向けられたものであり、隣の席の我々には関係がない。ドキュメンタルにおいても芸人たちがが笑わすべき相手は目の前にいる芸人”だけ”であり、画面越しの視聴者ではないのです。

課題を解消する方法は無い……?

この課題を解消するのはメチャクチャ難しいと思います。

根本的な対応が

「視聴者のことを考慮してパターン豊富にネタを出せ」

になってしまっては、ドキュメンタルの存在意義がありません。


だからといって放っておくと「出演者が誰になろうと最後は同じ展開」になり、そのうち飽きられると思います。

何か新ルールで制限をかけるのか、それとも芸人たちが自らの力で予想もしていないような超展開を作り出すのか……

『ドキュメンタル』シーズン3はどうなる……!?

何にせよ早くも『ドキュメンタル』シーズン3が今年の夏に予定されているようです。今後のドキュメンタルの行く末を決定付けるシーズンになる気がします。


ということで好き嫌いはメチャメチャ別れるけど、とりあえずAmazonPrimeに加入して『ドキュメンタル』を見てはいかがでしょうか!?