小さな星がほらひとつ

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嘘つきは、大人の始まり。いや、後編は駄作の始まり。映画『ソロモンの偽証』感想。

映画
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Huluのトップページに出ていて気になっていた映画『ソロモンの偽証』。

solomon-movie.jp

宮部みゆき原作の小説で、2015年に公開されたミステリー映画です。
前編・後編の2部作で合計4時間半の超大作。


観終わって端的にこの映画を紹介すると、

前編での見事な盛り上がり!からのクソみたいな後編

です。


ということで軽くネタバレしつつ、うっす〜い感想を書き連ねます。

あらすじ

クリスマスの朝、中学校の屋上から転落死した男子生徒が発見された。
警察は自殺と判断したが、クラスメートによる殺人を目撃したという告発状が学校へ届く。

告発状で犯人とされた生徒にマスコミの目が向けられ、報道は過熱する。
対応が後手後手に回る学校、頼りにならない親。そして新たな犠牲者が……

「大人」にはもう任せられない。
少年・少女たちは事件の真実を暴くべく、学校内裁判の開廷を決意する。

謎が謎を呼ぶ前編。最高の立ち上がり。

前編はいきなり男子生徒の死体発見から始まります。
暗くどんよりとした演出、そして役者さん演技が素晴らしい。間違いなく良くないことが起こる雰囲気ビンビン。

前編は全体を通して「告発状」を巡って話が進んでいきます。
それでいて劇中の人物たちは「告発状を出したのは誰か」は分かりません。
一方で観客は知っているんです。それを出した理由も観客は知ることができます。

でも観客は告発状が真実かは分からない
ここが前編ポイントで、観客目線でピースは集まりつつあるのに真相はなかなか見えてこない。
だから観客はモヤモヤしつつ話の展開が超気になる。真実を知りたい!!

で、学校内裁判の開催が決定したところで前編は終わるのですが、最後の最後に超展開。
え、これで終わるの!?後半どうなるの!?」という絶妙な終わらせ方。期待が高まります。

残念過ぎる後編。真犯人の思考・動機が理解不能。

盛り上げに盛り上げた前篇。いよいよ真相が明らかに!

とワクワクして観ていると……

あれ、これもしかして……

やっぱそうか。

え、こいつ何言ってんの?

……マジか

残念過ぎる結末です。

詳しくは書きません。自分の目で確かめてください。
とりあえずある程度話が進めば、だれが真犯人かはうっすらと見えてきます。そして、それほどの意外性はありません。 もう少しビックリするどんでん返しを期待してましたが、まあそれは別にいいです。

最悪なのは真犯人がそう考え、そう行動するようになったのか、そのバックボーンが描かれず1ミリも感情移入できないことです。

真犯人の言いたいことが分かるような心理描写だったり、過去の出来事だったり、観客を説得する材料が無い。 家庭環境も何も問題無さそうなのに、ただただ中二病なだけ。人や社会を批判したいだけにしか見えない。

手の付けられない中二病じゃねーか。

ってぐらいにしか感じません。
本当に残念です。


裁判が全て終わり、最後のカットも「学校内裁判楽しかったね〜♪」ぐらいにしか見えないし……
前半のあの盛り上げや裁判に向けられた中学生たちの情熱は何だったんや。

これは私の読解力が足りないんでしょうか。
「そこはさ、想像力働かせてさ、中学生の気持ちになってさ」ってことなのかなぁ。


原作は未読なんですが、どうなんですかね。

現代を代表するミステリー作家、宮部みゆきが「構想15年、執筆9年」で仕上げた大作ですよ?
メチャクチャ凄いですよね?
こんなユルユルな話なわけないですよね?

真犯人の心理描写とか動機とか、映画が端折り過ぎなだけなのかな。

上記を踏まえて、この映画が伝えたかったこと

得てして真実とはこんなもの

といえばそのとおりで、本作はそれを体現しています。

「悪いやつはお咎め無し」「いい人、正しい人が損をする」「権力を持つ人は嘘を付く」といった現実社会の理不尽さを伝えることには成功していると思います。たぶん。

二度とは戻れない青春がある!

話の最後に
「14歳だったから嘘を暴いて、真実を追求することができた」
「大人になると自分に都合のいい嘘ばかりを付いて、身を守ることだけ上手くなる」
といった会話があります。

つまりこの映画(の後半)は

針が振りきれた中二病でメンヘラな真犯人のドタバタに付き合わされたけど、皆で協力して見事に真実を見つけ出す。二度とは戻れない青春時代の1ページ。

を描いた青春物語なのではとさえ思えてきます。


以上、うす〜い感想でした。
前編はとにかく面白いので、おすすめです。
後編を観るかはあなたの判断にお任せします。